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EU、第8次対ロシア制裁措置に合意 暗号資産関連サービスを全面禁止へ

欧州連合(EU)は6日、ウクライナに侵略中のロシアに対する第8次制裁措置に合意したことを発表した。

この制裁措置の中で、暗号資産(仮想通貨)領域に関する制裁もより強化することとなった。

発表によると、今回の措置は国際的なパートナーとの調整を経て、ロシアが「偽りの住民投票」に基づきウクライナ領土を不法に併合し、軍隊を動員しているほか、公然と核の脅威を発するなど、ウクライナに対する違法な戦争を続けていることに対応するためのものだという。

暗号資産に関する制裁では、ロシアに対しビットコインをはじめとした暗号資産ウォレット、アカウント、カストディサービスを全面禁止することになった。以前までは取引量が1万ユーロ(約142万円)までは制裁対象から外れていたが、今回の措置で金額的条件を排除した形だ。

背景には、ロシアがあらゆる産業に対し、国際貿易等でビットコインをはじめとした暗号資産の使用および受け入れを認可する意向を示したことにある。

先月、ロシアの中央銀行および財務省がこれまでの方針を改め、暗号資産による国際決済を合法化する意向を固めたことが報じられた。

ロシアのアレクセイ・モイセエフ(Alexei Moiseev)財務副大臣は「暗号資産での国境を超えた決済をしない手はない」と述べていた。ロシア政府は厳しい経済制裁を回避する方法として、暗号資産の活用が必要不可欠と判断した。

今回、欧州連合はロシアで議論が行われている最中に先手を打つ形で暗号資産に関する制裁を決定した格好だ。

また、新たな制裁リストではロシア政府やロシアに設立された法人に提供できないサービスを拡大。この中にはITコンサルタント、法律顧問、建築、エンジニアリングサービスなどが含まれた。ロシアはこうしたサービスの輸入に依存していることから、制裁を強めることで産業力を弱体化させる狙いがある。

さらに、制裁回避を試みようとする者の監視および侵害を助長する人物に制裁を科すことも可能になった。これを受け、ロシアで暗号資産サービスを密かに展開する業者には制裁を科すことになるという。

欧州連合は条約を遵守するため、加盟国全域で制裁実施の監視を行うという。

今月1日には日本を含むG7(主要7ヵ国)もロシアに対し追加制裁を科す意向を表明している。この追加制裁では、欧州連合と同様に暗号資産関連の制裁を強化することも考えられる。

画像:Shutterstock

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