2022.09.28
暗号資産(仮想通貨)ブローカーのボイジャーデジタル(Voyager Digital)は26日、同社の資産を大手暗号資産取引所FTX傘下のFTX USが落札したことを発表した。
ボイジャーが発表した資料によると、落札価格は14億2200万ドル(約2,060億円)。同社のプラットフォームにある全暗号資産13億1100万ドル(約1,900億円)に、今後推定される1億1100万ドル(約160億円)を加えた額だという。
ボイジャーとFTX USの資産売買契約は来月19日にニューヨーク南部地区連邦破産裁判所へ提出されるとのことだ。
ボイジャーに関しては、FTX関連の投資会社アラメダ・リサーチ(Alameda Research)が救済を目的に5億ドル(当時約675億円)相当の融資を決定している。
しかし、ボイジャーは7月に米連邦破産法11条(Chapter11)に基づく会社更生手続を申請した。FTXおよびアラメダによる買収提案を拒否した際、ボイジャーは「自社の再建計画とは反する内容だった」という旨を主張している。
ボイジャーが破産申請を行なった後、FTXに加え大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)やクロスタワー(CrossTower)などが資産買収を競っていたとされる。
また、ボイジャーは今年6月にスリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital)に対して、6億5000万ドル(当時約900億円)相当の債務不履行を通達している。請求権はすでに破産財団に存続しており、同財団は当該請求権に基づく回収可能額を債権者に分配する予定であるという。
ボイジャーは今回の発表で、「FTX USの落札により債務者が連邦破産法11条に基づく計画を完了させ、顧客やその他の債権者に価値を還元するための明確な道筋を示すことによって、価値を最大化、ボイジャーの再建期間の短縮につながる」と述べている。さらに、「FTXとの売却取引はボイジャーのステークホルダーにとって最良の選択肢だ」と付け加えた。
今後、ボイジャーの顧客および保有資産は連邦破産法11条の手続きが終了した後、FTX USに移管されるという。
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