2022.09.13
米株式市場はインフレがピークに近いとの観測が広がり、4営業日続伸した。12日の取引では、NYダウ平均が前日比229.63ドル(0.71%)高の32,381.34ドル、ナスダックは前日比154.10ポイント(1.27%)高の12,266.41ポイント、S&P500は前日比43.05ポイント(1.06%)高の4,110.41ポイントで終えた。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)が米株価に連動して上昇し、2万2000ドル(約313万円)を突破した。記事執筆時点では2万2350ドル(約318万円)近辺で推移している。
また、軒並み多くの暗号資産が価格を伸ばしているが、イーサリアム(ETH)は少々価格を落としている。歴史的な大型アップデート「マージ(The Merge)」を控え、前後で価格が変動しやすくなることから、リスクオフの売りが入ったものとみられる。記事執筆現在では1700ドル(約24万2,000円)付近での取引が続いている状況だ。マージは協定世界時(UTC)15日5時(日本時間15日14時)頃に完了すると予想されている。
イーサリアムがPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと移行することにより、新規発行数量も大幅に減るとされていることから、機関投資家の間ではデフレ資産としての側面にも注目が集まっている。今後、マージが完了し、動向を見守りながら資金が流入する可能性が指摘されている。
なお、日本時間13日夜には重要指標である8月の米CPI(消費者物価指数)が発表される。ガソリン価格の低下を背景として、2ヵ月連続で減速を示す可能性があるとされており、市場予測では前年同月比で伸び率8.1%と予測されている。
一方、変動の大きい食品とエネルギー価格を除いたコア指数は6.1%の上昇と、前月に比べると伸び加速が予想されている。
市場アナリストの間では、米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げ政策が和らぐと見るのは時期尚早という見方が多い。現在、インフレが高水準であることに変わりなく、米国では住居費を筆頭に広範囲でインフレが進行しているためだ。
パウエルFRB議長は8日、インフレ抑制の「任務が完了するまで、(金融当局が)尻込みすることはない」と言明した。同氏は9日にも他の複数の金融当局者が再度の大幅利上げに言及していている。
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