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ロシア、国際決済にステーブルコイン導入か 財務副大臣が明かす

ロシアが友好国との決済にステーブルコインを導入するためのプラットフォーム構築を進めていることがわかった。7日、ロシアの報道機関タス(TASS)通信が報じた

先日からロシア財務省とロシアの中央銀行にあたるロシア連邦中央銀行が国際貿易における暗号資産(仮想通貨)を利用した決済を合法化する意向であることが伝えられていた。現在も続く経済制裁を乗り越えるために、暗号資産を用いた国際決済が不可欠であるとの意見が合致した。

アレクセイ・モイセイエフ(Alexey Moiseyev)財務副大臣は6日、ロシアは複数の友好国と共同でステーブルコインを利用した越境決済のためのプラットフォームの創設に取り組んでいると語ったという。

同氏は、「我々は現在、ドルやユーロを使用できないため、2国間プラットフォームを作成するために多くの国々と協力している。私達はこのプラットフォームで使用する相互に受け入れ可能なトークン化された商品を開発している。現在開発しているのは、友好国とのクリアリング(清算)プラットフォームだ。ステーブルコインは、ゴールドなど、一般的に認知された商品と価値を裏付けさせる。その価値は全ての利用者にとって明確で観察が可能な商品となるだろう」と述べたという。

なお、現時点でどの国と協力しているかなどの詳細については明らかにしていない。

現在開発しているステーブルコインは、ゴールドが担保として用いられる可能性が高い。ロシアは昨年からゴールドの保有量を増やし、現在は2298トンを保有している。保有率では世界5位だ。

ロシア財務省は国会下院で行われる国家院の秋の会期中に、暗号資産での国境を超えた決済に関連する問題を解決することを望んでいるという。その際、ステーブルコインの合法化に向けた法整備が決議されるとみられている。

先月30日には、ロシアのミハイル・ミシュスティン(Mikhail Mishustin)首相が「デジタル資産を含めた技術の開発に取り組むべき」と発言。輸出品の支払い決済の実現につながるとの見解を示していた。また、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は金融に関して自立を強化する必要があると語っていた。

今回の報道も含め、ロシアが暗号資産の使用を認める方向に舵を切った意義は大きい。それでも、プーチン大統領をはじめロシア中銀は依然として国家主導の暗号資産以外の使用を禁ずる方針であるものとみられている。

画像:Shutterstock

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