2022.08.16
暗号資産(仮想通貨)カストディサービスを提供するビットゴー(BitGo)は15日、暗号資産投資企業のギャラクシーデジタル(Galaxy Digital)に対し、1億ドル(約134億円)以上の損害賠償を求めると発表した。マイク・ノヴォグラッツ(Mike Novogratz)氏率いるカナダのギャラクシーデジタルは2021年、ビットゴーを12億ドル(約1,600億円)で買収することを発表していた。
ビットゴーは声明で、「ギャラクシーデジタルは15日に、2022年12月31日期限とする合併契約を解除した。また、2022年3月に契約していた1億ドルのリバースブレークフィー(契約解除金)も支払わないという不適切な決定をしたことについて、法的な責任を問う」と述べた。
ギャラクシーデジタルは2つの決定を12日にビットゴーへ通達したという。ビットゴーはこれに対し、適切な法的措置を講じる目的で米大手法律事務所クイン・エマニュエル(Quinn Emanuel)と契約したようだ。
ギャラクシー側の契約解除の理由としては、ビットゴーが今年7月31日の期限までに契約要件に準拠する2021年の監査済み財務諸表を提供していないことを挙げており、契約解除金も発生しないと主張している。
クイン・エマニュエルのパートナー弁護士であるR・ブライアン・ティモンズ(R.Brian Timmon)氏は声明で、「ビットゴーは監査済み財務書類の提出などの義務を守ってきた。ギャラクシーがこの四半期に5億5000万ドル(約737億円)の損失を計上したこと、同社の株価下落、ギャラクシーとノヴォグラッツ氏の両方が暗号資産テラ(LUNA)に関する事件に気を取られていることは公になっている。ギャラクシーはビットゴーに契約解除料を支払うべきで、不誠実な態度を取り続ければ、それ以上の損害賠償に直面する」と述べた。
ギャラクシーデジタルは2020年9月にテラUSD(現USTC)とテラの運営会社テラフォーム・ラボ(Terraform Labs)に投資を行っていた。
ビットゴーの創業者兼CEOのマイク・ベルシー(Mike Belshe)氏は、「ビットゴーは成長し続けている。その運営と戦略は力強い。2021年で640億ドル(約8兆5,750億円)以上の資産を預かっている。前年比の3倍以上の成長を遂げた。2022年も同じように成長している」と強調している。
ビットゴーは機関投資家に対し、カストディ、セキュリティなどのサービスを提供している。また、ビットコイン(BTC)の価格に連動するステーブルコイン・ラップドビットコイン(WBTC)の発行元の一つとしても知られる。
今年に入ってからは機関投資家向けにDeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)、Web3.0のサービスを展開し、500以上の暗号資産をサポートしている。
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