2022.08.08
米証券取引委員会(SEC)が、米国を拠点とする全ての暗号資産(仮想通貨)取引所および大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)の本体を調査していることがわかった。4日、米Forbesが報じた。
SECは近頃、未登録証券として該当する暗号資産の取引を提供している疑いがあるとして、米大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)に調査を行なっていると報じられている。しかしForbesによれば、これは氷山の一角に過ぎないという。
Coingeckoによれば、米国には大小併せて40以上の暗号資産取引所がある。コインベースの調査は広範囲に及んでいると見られており、今後米国の暗号資産取引所にどのように影響が出るのか、関係者は注視しているようだ。
一方で、現在のアメリカの立法機関において、証券取引委員会が暗号資産取引所を監督する権限があるか明確になっていないのが現状だ。暗号資産自体がそもそも「有価証券」なのか「コモディティ」なのかも明確になっておらず、SECと商品先物取引委員会(CFTC)の間で、どちらに監督権限があるのか議論がされている状況となっている。
今回、Forbesに情報提供を行ったシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)米上院議員(共和党)のオフィススタッフは、「SECは暗号資産の管轄に関するCFTCとの論争を早急に解決したいと考えているようだ」と述べた。そしてこの問題が両者間で解決しない場合には議員が関与する可能性もあるとし、その際には「議会はCFTC側を支持する可能性が高い」という。
今月、デビー・スタベナウ(Debbie Stabenow)委員長(民主党)とジョン・ブーズマン(John Boozman)委員(共和党)が、CFTCにデジタル資産規制の権限機能を持たせる「the Digital Commodities Consumer Protection Act of 2022」を提出した。
そしてルミス議員は、カーステン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand)上院議員(民主党)と、暗号資産関連を規制するための超党派立法案「the Responsible Financial Innovation Act」を提出している。
どちらも早急に解決・整備する必要がある法案だが、ルミス議員のスタッフは、「両方案ともに年内可決する確率は50%もないだろう」とコメントしている。
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