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金融分野のメタバース市場シェア、今後5年で約6.7兆円に達すると報告

英国の技術調査会社テクナビオ(TechNavio)が2日、金融分野におけるメタバース市場に関する予測と分析レポートを発表した。

レポートによると、金融分野でのメタバース市場は2021年から2026年の間に503億7000万ドル(約6兆7,000億円)に成長するという。年平均成長率(CAGR)は20.93%で加速するとした。

レポートでは、金融分野のメタバース市場をソフトウェア・ハードウェアといったコンポーネント、そして地域(北米、ヨーロッパ、アジア太平洋、南米、中等、アフリカ)について分析している。

地域別では、市場の成長における32%が北米を起源とした取り組みであると推測した。レポートでは、北米とカナダがメタバース市場の主要市場になるであろうと説明している。暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーン技術の普及が、同地域におけるメタバース市場の成長を促進すると考えられているようだ。

また、金融分野ではハードウェア分野における成長が顕著になるとしており、メタバース市場の収益面で堅牢なCAGRを記録するだろうと予測している。

メタバースには、ヘッドセット、スマートグラス、レンズなどが使用され、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を体験するにはカメラが必要となる。レポートによれば、銀行や金融機関は現在、顧客サービスと体験の向上のため、ARデバイスとVRヘッドセットを迅速に導入し始めているようだ。

また、フィンテックソリューションのイノベーションを加速するための最先端技術の導入、ハードウェア開発の増加が、金融部門のメタバースの成長を加速させていると説明した。例えば、オンライン証券のTD Ameritradeはホログラフィーと3Dチャートを使ったライブ市場を実現させ、リアルタイムの投資とガイダンスを提供するVR体験をユーザーに提供している。

さらに、結果的に新型コロナウイルスの感染拡大がメタバース好影響をもたらしたと説明している。2020年、米国では人々がデジタルメディアに費やす時間が前年と比べ15%増加したようだ。インターネット普及率の上昇とデジタル資産の作成および購入への関心が高まったことで、メタバース市場の成長へとつながったと結論づけている。

加えて、メタバースウォレットの開発が、市場成長を促進させる主要ファクターとなっている。メタバースウォレットは、ユーザーがメタバースのネットワークで生成、取引、保有する資産の追跡などを行うことが可能だ。

メタマスク(Meta Mask)、Enjin Wallet、コインベース(Coinbase)、Math Wallet、Alpha Wallet、Coinomi、Trust Walletがメタバースウォレットの上位を占め、一貫して好調な業績を上げているという。信頼できるサービスを提供し、ユーザーの支援を獲得、急速に成長していると説明した。

日本でも、みずほ銀行が先月31日にVCRのイベントに出展し、ATMや対話ブースなどを備えた店舗をメタバース空間上で再現すると発表した。

画像:Shutterstock

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