2022.05.23
23日の暗号資産(仮想通貨)市場は小反発を見せている。
ビットコインは記事執筆時点で約390万円を推移しており、節目である3万ドル(約382万円)近辺での攻防が続いている状況だ。また、アルトコイン市場においてもイーサリアムをはじめとした主要銘柄を中心に価格を上げており、復調気配を漂わせている。
ビットコインは米株式市場の下落に合わせ、週足ベースで8週連続の下落となるなど、市況は芳しくない。
5月22日はビットコインが初めて決済に用いられた日を記念し、「ビットコイン・ピザデー」としてお祝いムードに包まれることも少なくない。しかし、市場に目を向ければ今年は狭いレンジでの取引が続く横ばいでの推移となった。
なお、8週連続の下落はNYダウも同様で、これは1932年に発生した世界大恐慌以来、実に90年ぶりとなる。
23日のアジア時間、特に日経平均に関してはハイテク株を中心に上昇。午後に入り伸び悩みを見せたものの、大引け間際には来日中の米バイデン大統領が、日米共同記者会見において「対中関税の引き下げについて検討している」と発言したことが好感視され、上げ幅を広げた。結果、前週末比262円49銭(0.98%)高の2万7001円52銭で取引を終えている。
対中関税の引き下げに言及した背景には、深刻さを増しているインフレへの懸念がある。特に米連邦準備理事会(FRB)は5月に入り0.5%の利上げを発表したほか、金融引き締めに向けさらなる追加措置もちらつかせている。過度な引き締めがリセッション(景気後退)を引き起こすとの懸念もあり、金融市場では警戒する動きが強まっている状況だ。バイデン大統領の発言は、金融市場に蔓延るネガティブな市場心理を和らげる狙いがあるものとみられる。
米国時間に移り、米国株にも好影響が見られれば、ナスダックやS&P500との相関性が高まっている暗号資産市場も連動する可能性があるだろう。
今週は米国で重要指標が立て続けに発表され、米国株などが大きく動くことも考えられる。26日には連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表され、内容次第では金融市場に大きな影響が及ぶ可能性もあるため、動向を注視する必要があるだろう。
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