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ビットコイン中心に暗号資産市場反発 LUNAはついに1円を割り込む

一時2万5400ドル(約326万円)台まで下落したビットコイン(BTC)だが、反発して現在は3万600ドル(約393万円)台にまで回復した。

暗号資産(仮想通貨)市場の暴落を招いた一因であるテラ(LUNA)は記事執筆時点で1円を割り、0.007円、米ドルとのペグが崩壊したTerraUSD(UST)は22円を推移するなど、事態は悪化の一途をたどっている。しかし、テラは一時ブロックチェーンの稼働を停止し、新たな攻撃対策を講じてUSTの価格回復に取り組んでいる状況だ。

この一件は暗号資産市場全体に甚大な影響を与えたが、現時点ではその影響も徐々に薄れてきた。日経平均をはじめ、アジア株に自律反発の動きが見られたこともポジティブに働いただろう。

特に日本株式市場は開始から大幅反発。日経平均は一時700円を超える上げ幅を記録した。

約1兆7,000億円の赤字と見られていたソフトバンクグループ(SBG)の株価下落が懸念されたが、円安の影響で為替差益が2兆1,769億円となっていて、それにより赤字を上回り、包括的利益で見ると4,000億円近い黒字であることが判明したことも反発要因となった。

今回のUSTの急落は、アルゴリズム型ステーブルコインの問題を浮き彫りしたと言える。米英各付大手のフィッチ・レーティングスは「投資家の信用を失うことは暗号資産とデジタル資産に大きな悪影響を及ぼす」と12日に出したレポートで記している。

また、ここ数ヶ月間で多くの金融機関が暗号資産に対する投資を増やしていることから、今回のようなリスクを回避するためにもステーブルコインの規制を求める声が高まるだろうとも指摘した。

暗号資産市場に影響を与えている要因としては、米株式市場の動向も挙げられる。米株式市場は12日も続落し、S&P500種株価指数は直近高値から20%の下落となった。これで2011年6月以来の6週連続安となった格好だ。

米株式市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げや長短期金利逆転、地政学的リスクの高まり、そして1年以内のリセッション入りが懸念されており、まだ売り方は強気な状態に変わりない。

日本時間13日夜には米国でミシガン大消費者信頼感指数とメスター、クリーブランド連銀総裁の発言があり、この結果も米株式市場、しいては暗号資産市場に影響を及ぼす可能性が考えられる。

当面の間はボラティリティが非常に高くなることが予想されるため、市場の動向を引き続き注視する必要がある。

画像:Shutterstock