2022.04.21
オーストラリアで初となるビットコイン、イーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)現物ETFが、今月27日にデリバティブ取引所のCboe Exchange Australia(旧Chi-X)に上場することがわかった。
手掛けるのはスイスを拠点とする資産運用企業21Sharesで、同時に上場する。19日、同社が発表した。
21Sharesは暗号資産関連のETP(Exchange Traded Products)を手掛けており、ETFプロバイダー大手のETFセキュリティーズと提携し、「ETFS 21Shares Bitcoin ETF」と「ETFS 21Shares Ethereum ETF」の2つをオーストラリアで運用することになる。オーストラリアドル建の現物のビットコイン価格、イーサリアムの価格と連動する商品となる予定だ。暗号資産取引所大手のコインベース(Coinbase)がコールドストレージで保有するビットコインを全額裏付けするという。
ETFセキュリティーズのグラハム・タックウェル(Graham Tuckwell)会長は、「2つのETFは投資家がビットコインやイーサリアムのウォレットを作成することや、リスク管理を気にかける必要がなく、厳格な規制のもとで暗号資産を取引できる方法を提供するものだ」と述べた。
21Sharesの運用資産は25億ドル(約3,200億円)超。暗号資産取引所大手のバイナンス(Binance)を追跡する世界唯一のETP、4つの暗号資産インデックスなどを含む30以上の商品を欧州およびスイスの10ヵ所の取引所に上場している。
ETFセキュリティーズの担当責任者・Kanish Chugh氏はプレスリリースで、「ビットコインは過去10年間で最もパフォーマンスの高い資産であり、イーサリアムは過去5年間でトップパフォーマンスの資産の1つと言える。これらは資産形成の中に入れるべきだ。株式、債権、コモディティとはまったく異なる資産で相関性がないため、ポートフォリオの多様化として取り入れるべきだ」と、暗号資産の優位性についてコメント。
さらに、「また暗号資産の投資家にとって2つのETFへの投資は、取引所の選別、ハッキングに対する脆弱性、秘密鍵の消失などの暗号資産における弱点を克服したものになると語った。
また、同時にオーストラリアのETF運用企業Cosmos Asset Managementが手掛けるビットコインETFも上場する。こちらのETFは、21sharesとは違い、トロントで取引されているPurpose Bitcoin ETFに投資するものだ。
同ETFは北米初のビットコイン現物ETFで昨年取引が開始された。CosmosはETF発表に先立ち、2月にPurpose Investmentと契約を締結していた。
取引開始時には約10億豪ドル(約953億円)の資金がこのETFに流入すると予測しているという。
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