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エルサルバドル大統領、海外投資家に対し市民権を与える法案提出

エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は、同国に投資する外国人に対して、市民権を与える法案などを議会に提出した。20日、ブケレ大統領が自身のTwitterで発表した。

ブケレ大統領は自身のTwitterで、「私は議会に52の法改正案を送った。役所仕事を排除し、官僚主義を削減する。投資と引き換えに、税制上の優遇処置と市民権を与える。新証券法などを新たにつくる」とし、「計画は単純で、世界が専制政治に陥っていくのに対し、私たちは、自由のための天国をつくる」と表明した。

以前より、ブケレ大統領は暗号資産(仮想通貨)関連企業に対して所得税や固定資産税の優遇を行う「ビットコインシティ」の建設を発表していた。この都市の予算は、エルサルバドル政府の発行する10億ドル(約1,147億円)規模のビットコイン・ボルカニック債(10年債)で賄われる予定だ。

また、この10年債の一定額以上の購入者には、市民権を与えるとしていた。今回のTwitterでの発言は、これらを法改正案として正式に議会に送ったという表明である。

エルサルバドルは昨年9月、ビットコインを米ドルに加えて法定通貨として採用し、世界で初めてビットコインを法定通貨として採用した国となった。しかし国際通貨基金(IMF)は、同国の金融変動、リスクの増大につながる可能性があると指摘し批判を続けている。

これに対し、ブケレ大統領はビットコインを国家予算で購入し続けており、その含み益を利用して動物病院等の創設を発表している。20日、ブケレ大統領はTwitterで、「ビットコインを採用したことで、2021年の国内総生産の成長率が過去最大の10.3%であった」ことや、「2022年1月輸出額が、前年比13%増を記録した」と発表。国内外に対してビットコインの採用は有益な施策であるとアピールし続けている。

またブケレ大統領は、米ビル・キャシディ(Bill Cassidy)上院議員による「エルサルバドルのビットコインの法定通貨採用はマネーロンダリングのカルテルに門戸を開き、それは米国に害を与える」という指摘に対しても、「我々はあなたの近所でも裏庭でも前庭でもない。内政干渉をするな。コントロールできないものをコントロールしようとするな」と強気の態度で反論した。

さらに、「ビットコイン価格が10万ドルに達する」や「今年中にエルサルバドル以外に2ヵ国がビットコインを法定通貨として採用するだろう」と発言するなど、ビットコインの動きについて独自の予測を立て強気な立場を維持している。

画像:Shutterstock