2022.02.14
UberEATSなどを手がける大手ライドシェアサービスのUberが、ビットコインを含む複数の暗号資産(仮想通貨)による決済を検討しているようだ。
同社のCEOであるDara Khosrowshahi氏はBloombergのインタビューに対し、 「我々は常に(暗号資産について)話をしている」と説明。併せて、「今、私たちがビットコインやその他複数の暗号資産で注視しているのは、それらが価値の保存手段としてかなり有効であるということだ」と語った。
一方で、「(暗号資産の)取引手数料は現在高く、環境にも良くない。取引手数料が安価になり、さらには環境を考慮したものになれば、私たちはより暗号資産に魅了されることでしょう」と述べ、暗号資産が現在抱える環境面等の課題について言及した。
特にビットコインをはじめとしたプルーフオブ・ワーク(PoW)型の暗号資産では、マイニングにより膨大な電力が消費される。これが環境に悪影響を与えているとし、現在このマイニングのあり方について様々な議論が行われている。昨年5月には、米電気自動車大手テスラがマイニングにおいて多くの化石燃料が使われていると懸念を示し、ビットコイン決済を中止した。
しかし、Khosrowshahi氏はこうした環境への影響は「いつか改善される」と述べ、「Uberが将来、暗号資産を受け入れるだろうかとの問いがあれば、答えは『もちろん』だ」と語る。
同氏は「今すぐではない」とし、現時点で暗号資産決済を導入するつもりはないことを示唆したものの、「我々はいつか(暗号資産決済を)導入する」と語り、含みを残した。こうした発言から、前述したテスラと同様、環境面への問題がなんらかの形で改善された際に、Uberが暗号資産決済を導入する可能性が高くなると言えそうだ。
Khosrowshahi氏が暗号資産に肯定的な考えを示したのは今回が初めてではない。昨年2月、同氏は米CNBCに出演し、Uberがビットコインをはじめとした暗号資産決済を検討していると明かしている。
その際、同社はビットコインを購入することも協議したというが、「投資ビジネスを行うことはない」との理由で断念している。
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