クラウドファンディング・キックスターター、プラットフォームをブロックチェーンに移行へ

米クラウドファンディング大手のキックスターター（Kickstarter）がブロックチェーンで構築されたプラットフォームへの移行を計画していることがわかった。新会社を立ち上げ、ウェブサイトをセロ（Celo）のブロックチェーン基盤に移行するという。9日、プレスリリースで発表した。

Bloombergが同社のWebサイトの移行を報じたことを受けて、同社は今後数週間の間に、今回の計画に関するホワイトペーパーを発表すると述べた。

同社CEOのAziz Hasan氏と共同創業者のPerry Chen氏はプレスリリースで、「オルタナティブ・ガバナンス・モデルにとって重要な時期を迎えている。ブロックチェーンを使い、こうした取り組みを進める重要な機会だ。ブロックチェーンは新しい形のネットワーク型組織や経済を創造し、連携させるための強力なツールである。今後直面する新たな問題を解決するコラボレーションシステムだ」とコメント。二酸化炭素排出量削減につながるなど、エコ的な選択をするため、セロブロックチェーンのオープンソース・プロトコルを開発するという。

キックスターターによると、現在プラットフォームを利用して医療やフィットネス製品、アート作品、書籍、映画などのプロジェクトにクラウドファンディングを行っている数百万人のユーザーに対する影響は今回の移行によって生じないとのこと。

また、プロトコルを開発するためにガバナンスラボを設立する。パーパス財団（PurposeFoundation）のエグゼクティブ・ディレクター兼共同設立者のCamiille Canon氏が主導し、プロコトルを開発した上で、その研究成果を発表していく。

 キックスターターで資金を得た特定のプロジェクトが分散型自律組織（DAO）に移行しようとしている。例えば11月に「CnstitutionDAO」というグループが米国憲法の初版本を購入しようと試み、1万7,437人の支援者に「PEOPLE」というガバナンストークンが発行された。この時には、DAO導入までには至らなかったものの、運営チームがユーザーにトークンの継続保有を認めたことでトークン価格が高騰した。

2009年にスタートしたキックスターターは2,100万人が60億ドル（約6,825億円）以上の資金を20万人以上のクリエイターに提供してきた。自転車「Peloton」（30万ドル調達）やVRヘッドセット「Oculus」（240万ドル調達）、テレビ番組のMystery Science Theater（580万ドル調達）など、21万3,034件のプロジェクトにおよぶ。多くの雇用や団体、会社を生み出し、その経済効果は135億ドル（約1兆5,350億円）とも言われている。

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