2021.12.07
南米コロンビア共和国の最大手銀行Bancolombiaは、米暗号資産(仮想通貨)取引所Geminiと提携し、顧客に暗号資産取引サービスを提供する。6日、 Geminiが発表した。
今回の提携は一部顧客を対象にしており、1年間のパイロットプログラムとなっている。一部の顧客が12月14日より、Bancolombiaの銀行口座において、直接的にビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)を売買するGeminiのサービスを利用できるようにする。
Bancolombiaは顧客の資金を取り扱い、Geminiは暗号資産の引き出し、預け入れ、保持など、交換と保管のためのインフラを提供する。
GeminiはGemini Custody、Gemini Fund Solutionなどを通じ、世界中で増加する金融機関や資産管理者に暗号資産サービスとインフラを提供している暗号資産取引所だ。11月23日には4億ドルの資金調達も行った。資金調達の一部はメタバース関連企業への投資や「メタバースでのGemini体験」の構築に充てた。
Gemini担当者のシンシア・デル・ポゾ(Cynthia Del Pozo)氏は、「このパートナーシップはGeminiのラテンアメリカにおける、プレゼンスの戦略的拡大に向けた重要なステップです。コロンビアの暗号資産エコシステムと緊密に連携し、コロンビアの国民が金融ライフをコントロールできるようなサポートをしていきます」と今回の提携の展望を述べた。
この提携の背景には、コロンビアが奨める規制サンドボックス制度がある。同国の金融規制機関(Superintendencia Financiera de Colombia=SFC)が今回の提携を監督するという。新しい規制サンドボックスの一環で、大手暗号資産会社との契約により、顧客に暗号資産サービスを提供する銀行機関が増え、徐々に実を結び始めている。
この規制サンドボックスは、ラテンアメリカ諸国のなかでもコロンビア独自のもの。一般的に企業が革新的な試みを模索できるように、対象分野について法的規制に免除を設けている。現在、承認されているプロジェクトは9つ。計画を実際に試行したものは同プロジェクトが2番目だ。コロンビア大手銀行と暗号資産関連会社が関与するプロジェクトという面では同国初となる。他のプロジェクトではBinance(バイナンス)やBitsoなども名を連ねている。
ラテンアメリカではブロックチェーンや革新的技術への関心が高まっており、暗号資産はラテンアメリカの発展に重要な役割を果たすことになると考える国が多くなっている。
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