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ビットコイン、再び最高値を更新 一時6万9000ドルに迫る

9日につけた史上最高値を更新し、約6万9000ドル(約785万円)まで上昇したビットコイン(BTC)。その後は下落し、現在は横ばいで推移している。

米暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)の第3四半期決算が低調であった点、さらにはHuobiがシンガポールでサービス停止を発表したことなどが重荷となった。米株価についても、長期金利の上昇や中国大手の不動産開発業者である中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)という情報が広がり、下落。暗号資産市場にも影響が波及した形だ。暗号資産市場については、買い方の大量ロスカットが下落を加速させたとみられている。

Bloombergなどの情報によれば、中国恒大集団は10日に支払い猶予期限を迎えたドル建て社債の利払いを実施したようで、株価やビットコインをはじめとした暗号資産も持ち直した。しかし、3000億ドル(約34兆円)もの巨額負債を抱える中国恒大集団がデフォルト状態に陥るのは時間の問題だ。

Blinken米国務長官は、近々、米中首脳会談が行われることが予定されているとオンラインイベントで発表した。内容は新型コロナウイルスに関するものだというが、当然、中国恒大集団のデフォルト問題についても話し合いがもたれると思われる。

10日には米国の消費者物価指数(CPI)が発表された。市場予測を上回る上昇率を見せ、前年同期比6.2%の上昇を記録。実に1990年11月以来の上昇率となった。

FRB(米連邦準備制度)は過度なインフレを抑制するためコロナ禍での経済支援を優先してきた大規模金融緩和政策の段階的縮小(テーパリング)、金利引き上げの必要性に迫られている。

株価に与えるインパクトも大きくなる。インフレヘッジとして定番のゴールド(金)はここ数日、上値を取りながら大きく上昇。上昇しすぎていると見る機関投資家もいる。

そんな状況下で、ゴールドの代わりのインフレヘッジとしてビットコインへの関心が集まっている。コインベースのCEOであるBrian Armstrong氏は、「準備通貨(Reserve currency)としてビットコインの需要が高まる」と予測していたが、それは現実のものとなってきている。

ビットコインはゴールドを年初来比で上回っており、ゴールドの4%の下落に比べ、130%以上の上昇となっていることも高評価の1つという意見もある。今後はビットコイン現物ETFの登場も期待されており、年末に向け、暗号資産市場はポジティブ・センチメントに包まれる傾向が強い。こうした背景から、ビットコインが今後も上昇し、史上最高値を更新する可能性は十分考えられると言える。

画像:Shutterstock