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イーサリアム、過去最高値更新 初の30万円到達間近

28日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアムが29万円を突破し、再び過去最高値を更新した。

イーサリアムは今月23日にも最高値を更新しており、他暗号資産の価格高騰を大きく後押しした。

その後、バイデン政権が高所得者に対して大幅なキャピタルゲイン増税を検討していることが明らかになると、暗号資産(仮想通貨)市場全体で価格は大きく下落。イーサリアムもその中に含まれるものの、価格の戻しは他暗号資産と比べ早かった。

記事執筆時点でイーサリアム価格は29万4,500円ほどを推移しており、さらなる価格上昇を睨んでいる状況だ。

直近のイーサリアム価格の高騰要因としては、NFTやDeFi(分散型金融)市場の盛り上がりが挙げられる。

特にDeFi市場への資金流入は目を見張るものがあり、直近30日間で約40%もDeFi銘柄の時価総額が増加している。さらに来月5日には、DEX(分散型取引所)Uniswapが新バージョンである「V3」のローンチを予定していることから、引き続きDeFi銘柄の価格推移に注目が集まるものとみられる。

また、近頃カナダでイーサリアムETFの上場が相次いでいることも好要因となっている。これにより機関投資家の参入がさらに加速していくものとみられているため、さらなる資金流入への期待が高まっている。

そして何より、今年7月頃に予定されているイーサリアムの大型アップデート「ロンドン」に対する期待も現在の価格動向に織り込まれているだろう。

このアップデートでは、現在DeFiの台頭などによって高騰しているガス代(手数料)を改善する案「EIP-1559」が含まれている。この改善案が実装されることで、イーサリアムネットワークの利便性向上につながり、さらなる需要の拡大も見込めることから、暗号資産業界全体が非常に注目している状況だ。

一方で、この改善案ではマイニング報酬の仕組みも変更されるため、その影響によりマイナーにとっては不利になる点もある。そのため、一部マイナーからは反発の声が挙がっていることも事実だ。

現状、イーサリアムには多くの好材料が揃っている状況ではあるが、23日のビットコインをはじめとした暗号資産相場の急落以降、ボラティリティも高い傾向にあることから、引き続き市場の過熱感には警戒しておく必要があるだろう。

画像:Shutterstock