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“仮想”億り人の暗号資産よりどりみどりVol.29

どうも大空です。
3週間ぶりですね。かなり久しぶりにコラムに着手します。
前回は先物価格がマイナスになった原油価格と暗号資産市場への影響について書きました。
そして今回は、一大イベントを終えたばかりのビットコインの半減期による暗号資産市場への影響について書いていこうと思います。

◆「半減期から○○日後は爆騰? 歴史が物語るビットコイン価格」

執筆現在、半減期を迎えて5時間ほどしか経っていないのですが、ずっと重要視されていた業界の重要イベントを迎えられてなんだかホッとした気持ちになっています。
さて、ビットコインの価格推移についてですが、今のところは前々回までの見立て通りになっています。先月末の20%ほどの急騰までは予想できていなかったのですが、急騰する前には85万円ジャストでしたので、ほぼ的中したようなもんです。
『半減期直前はBSV、半減期後はBCHと同じ推移をたどる』
こう書かせてもらいましたが、こちらも要因は違うでしょうが今のところ予想通りですね。唯一違うとすれば半減期の2日前に10万円ほど急落したこと。ただ、これは米雇用統計の数字があまりにも酷く現金を必要とした、もしくはそういったことが要因になり下落すると先読みした投資家がビットコインを売り払ったのではないかなと個人的に思っています。
ただこれだけが要因とは考えていません。恐らくは半減期前の急騰が落ち着いたことによる利益確定売りでしょう。仮に急騰前の7800ドル(約84万円)で仕入れたとすれば、急落前の9700ドル(約104万円)で売ったとしても20%以上利益は出ていますから十分と言えます。
できればビットコインにはこのまま上昇してもらいたいところですが、1度価格を落とすと考えています。今現在8600ドル(約92万円)を推移していますが、ここから7500〜8000ドルくらいまでは落ちると踏んでいます。
ビットコインがBCHと同じ推移をたどるという見方は崩していないですが、当初の予想よりは下落しないのではないでしょうか。というのも、今の時点ではハッシュレートも目立って落ちているわけではないですし、むしろブロック生成にかかる時間が依然として短いです。そう見ると現時点では半減期後も順調に推移していると言っていいのではないでしょうか。
ただそれでも落ちると思っているのは、半減期を迎えてから上昇要因が特別見当たらないため、このまま横ばいで推移すれば我慢できず一旦売りが発生すると考えているからです。
前回のビットコインの半減期でもその傾向は見られています。
前回は2016年7月10日に半減期が訪れました。
半減期直後は約7万円を推移していたビットコインですが、特段上昇要因がなかったこともあり約2週間後には価格を当時にしては大きく落としています。しかしその後は好調な推移をたどっています。
一方で、最初の半減期である2012年11月頃は目立った価格下落を見せず、むしろ徐々に右肩上がりの推移となりました。この時に起きていたことといえば、ビットコインの名を一躍有名にしたキプロス危機です。
キプロス危機は2011年のギリシャ危機によって引き起こされ、表立って全容が明らかになったのは2013年でした。ビットコインはこの時期に避難資産として見られ、価格を上げたのです。
過去の半減期を振り返るとどちらもパターンが違うとはいえ、結果的には3ヶ月以内に10%以上価格を上昇させています。また、半減期から1年後にはどちらもとんでもない価格となっています。計算してみたらこのようになりました。

1回目の半減期から3ヶ月比較
2012年11月26日〜2013年2月26日
BTC 1030円     2400円      133.01%上昇
2回目の半減期から3ヶ月比較
2016年7月10日〜2017年10月10日
BTC 70000円     79000円     13.14%上昇
1回目の半減期から1年比較
2012年11月26日〜2013年11月26日
BTC 1030円     101300円     9734.95%上昇
2回目の半減期から1年比較
2016年7月10日〜2017年7月10日
BTC 70000円     270000円    285.71%上昇

小数点を除きなおかつ大体の数字を引っ張ってきています。
改めて見ると、1年で倍以上の価格になっているんですね。特に1回目の半減期の時はとてつもない上昇率になっています。
もし仮に2回目の上昇率を現在価格である92万円に当てはめた場合、2021年5月12日には354万8532円まで上がっていることになります。当時と比べ現在価格が上昇していることもあり、可能性があるとしたら110〜150%ほどの上昇率になると思います。計算すると1年後には193万円〜230万円ほどになっていることになりますね。
過去の半減期を振り返るとやはりビットコインは半減期を境に大幅な上昇を記録しています。今回の半減期による価格推移がどうなるかはわかりませんが、歴史を見ればほぼ価格上昇すると思っていいのではないでしょうか。
ちなみに、僕は1回目の半減期と2回目の半減期の動向を組み合わせたような価格推移をたどると考えています。
具体的には、2回目の時よりも短いスパンで下落し、その後は1回目の時のように急上昇を見せると思っています。急上昇を見せる理由としては、新型コロナウイルスの感染拡大による世界を巻き込んだ経済不安がキプロス危機の時と重なるからです。細かいことを言えば状況は違いますが、アメリカの給付金の多くがGAFA株と暗号資産への投資に使われていたというデータを考えると、今後さらに暗号資産市場に資金が流入する可能性が高いと思います。

今回はここまでです。
前回も書いたように、このコラムは一旦次回で終了となります。
最終回までどうぞよろしくお願いします。
それでは。

Profile
文◉大空 翔(おおぞら かける)
山梨県出身。
月刊仮想通貨本誌および月刊仮想通貨デジタルにて執筆、編集などを行う。
「本に携わる仕事がしたい」という一心で業界に飛び込み、日々暗号資産やブロックチェーンに関する知識を会得中。