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“仮想”億り人の暗号資産よりどりみどりVol.28

どうも大空です。
前回はビットコインの半減期に伴う価格推移について書かせてもらいました。
執筆現在(4月21日)、世界に衝撃を与えたニュースがいくつか入ってきました。
今回はこれらが暗号資産業界にどのような影響をもたらし、今後直近でどういった価格推移を見せるのか書いていきます。最後には重要なお知らせがありますので、どうぞ最後までお読みください。

◆「『逆』オイルショックが与える影響と今後の展開」

まず朝起きた時、この文字列を見てとても驚きました。
『原油先物価格マイナス』
「マイナスって何? こんなことある?」と、現実の出来事かどうか一瞬あやふやになりました。
何が起きたか調べてみると、米国時間20日に米国産標準原種(WTI)の5月限原油先物価格が大幅に下落し、最大で1バレル=-40.32ドルにまで下落したそうです。
この状況をわかりやすく説明すると、原油の「売り手」が代金を払って「買い手」に原油を引き取ってもらうという構造が生まれたということです。買い手としては原油を買ったらむしろお金をもらえるんですから、普通じゃありえないですよね。昔ドラえもんでこんな感じの話を読んだなとふと思い出しました。
この現象が起きた原因ですが、やはり大きいのは新型コロナウイルスによる経済活動の停滞が挙げられます。
つい先日オーストラリアで2番目の規模を誇る航空会社が経営破綻しましたが、世界的に原油を使う業界の動きが著しく鈍くなっています。そうすると原油が使われなくなるので需要が減りますね。原油が余ることになります。
そうは言っても、原油は需要があるだろうから貯めておけばいいと思いますが、その貯蔵先ももう満杯になってしまいました。しかもまだ少し空きがあるところですら貯蔵するために必要な金額が高騰してしまっています。完全に負のスパイラルに陥ってしまったのです。
その負のスパイラルに飲み込まれる中、WTIの5月限取引期限が21日に迫っていました。原油を貯蔵しておくのにも金がかかるし持っていれば持っているほど損をする。そう考えた投資家たちが一斉に駆け込んで売りに走ったと言えそうです。
原油先物に関するニュースはこちらに詳しく書いてありますので1度読んでいただけたらと思います。ここからは暗号資産業界に与える影響を考えてみようと思います。
まず僕の考えを先に言うと、今回の原油先物が与える影響は微少ではないかと思います。
執筆現在の暗号資産市場はほぼ全面安といったところですが、これは原油価格の下落に伴い一時的に現金が必要になった層が売ったか、もしくはそれを見越した投資家が先行して売ったかのどちらかではないかと思います。時間をそうかけることなく価格を戻していくのではないでしょうか。
世界経済は混沌とした状況となっていますが、暗号資産業界は独自の推移をたどると思われます。というか、ビットコインに様々なお金が入りやすい状況だと考えています。その根拠の1つが米国で経済刺激策の一環で行われている国民1人あたり1200ドル(約13万円)の現金給付です。
これは暗号資産取引所コインベースのCEOであるBrian Armstrong氏がTwitterに掲載したものですが、今1200ドルぴったりのビットコインの購入・入金がかなり増えているようです。
コインベースでのデータなのかといったことや、現金給付によるものである裏付けなどは明言されていませんが、時期を考えると間違いなく現金給付によるものでしょう。
新型コロナウイルスの感染がピークを脱したというデータもあり、トランプ大統領は段階的な経済活動の再開を目指していますが、その道のりはまだ険しいと言えます。国民の中でもまだまだ厳しいと感じるところがあるのでしょう。だからビットコインに投資する人が多いのではないでしょうか。
もう1つ、これは直接暗号資産業界に影響を与えるとあまり考えていませんが、大きなニュースがありました。
北朝鮮の金正恩委員長が手術を受けた後、重体に陥ったとのことです。これは米CNNが報じたもので、中国、韓国のメディアはこの報道を否定しています。
情報が錯綜しているため不確かではありますが、こういったニュースも今後の世界情勢に大きく影響してくるため、関連した情報などは念の為押さえておいた方がいいでしょう。
それが暗号資産取引にも役立つはずです。

今回はここまでです。
ここでお知らせですが、このコラムはあと2回で終了となります。しかし悲しい終わり方ではなく、別の企画を進めるために終える形です。
コラムにしては非常に長く続きました。これもひとえに読者の皆さまのおかげです。ありがとうございました。
まだあと2回ありますし、そのどちらかで次回企画に関して書こうと思います。
あと次回の企画というのは前回書いた企画とは違うものです。少しでも皆さんのためになるものが提供できるよう準備していきます。
また、次回は雑誌作業などの兼ね合いで5月13日の更新になると思います。ちょうどビットコインの半減期が行われたあとくらいですかね。
それではまた次回。

Profile
文◉大空 翔(おおぞら かける)
山梨県出身。
月刊仮想通貨本誌および月刊仮想通貨デジタルにて執筆、編集などを行う。
「本に携わる仕事がしたい」という一心で業界に飛び込み、日々暗号資産やブロックチェーンに関する知識を会得中。