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“仮想”億り人の暗号資産よりどりみどりVol.23

どうも大空です。
前回はビットコインとイーサリアムの相場に関することを書かせてもらいました。
そして執筆現在、ビットコインはやはりと言うべきか、大きな壁を前に価格が乱高下している状況となっています。しかしこれは世界経済の全面安も要因となっている可能性があります。
3連休明けの25日火曜日、日経平均は2018年12月25日以来となる1000円超の大幅下落を記録。これは25日未明、それまで好調だったNYダウが1000ドル超の急落を見せたことが引き金になりました。とにかく、新型コロナウイルス・COVID-19の感染拡大を危惧してか、世界中で株安の連鎖が止まりません。
今回は再び不安定な状況となった世界経済と暗号資産への影響に関して話を進めていこうと思います。

◆「暗号資産は避難資産として機能する? 待ち構える価格大変動」

はじめにも書きましたが、世界経済は再び不安定な状況を見せることとなりました。今年で言うならば、アメリカとイランによる中東情勢の悪化以来のことじゃないでしょうか。
ただ今回はその頃と少しだけ状況が違います。
中東情勢は激化してから一定の収束まで期間が短かったですが、今回の新型コロナウイルスは未だに先が見えてきません。それが現在の世界経済にも表れています。
そうなると気になるのが、暗号資産の存在ではないでしょうか。
ギリシャ危機や前述した中東情勢悪化の際でも、ビットコインは避難資産としてその価値を発揮しました。しかしここ最近はむしろ逆で、ビットコイン価格は横ばいか、もしくは下落しています。1万ドルを行ったり来たりです。
これは前回触れた『116万円の壁』によって暗号資産価格市場の方向性が定まっていないからだと僕は推測しています。あと、株式市場が先行き時不透明な状況であるがゆえに、暗号資産市場もその煽りを受けているのかなと。
さて、ここで本題です。
この状況下でビットコインは避難資産として機能するのか?
答えから言うと、僕は『機能する』と考えています。ですが、同時に価格の大幅な変動も起こりうるとも考えています。
それと言うのも、暗号資産と世界経済は必ずしも相対関係にあるわけではないというのが1点。
そして2点目は、ビットコインをはじめとした暗号資産が避難資産として機能する直前は、市場が停滞している傾向にあるということです。
ギリシャ危機の時のチャートは見つけられなかったので2013年に起きたキプロス危機を例に出しますが、当時まだビットコインの認知度は全然低かったにも関わらず、安全資産として機能しました。
実際にキプロス危機が発生したのは同年の3月ですが、価格が急騰し始めたのは10月頃。
キプロスの大手銀行に対する不信感が募りに募って、ビットコインに資産を退避させたのだと思われます。
その後、11月末から12月末にかけては当時レートの約9倍になる12万円を記録し、暗号資産の存在を世に広めた一例となりました。
もう少し直近で例を出しましょう。
2018年にトルコの法定通貨であるトルコリラが米ドル建で20%ほど暴落したことによって起きたトルコショックの際、ビットコインは下落の一途を辿っていました。
しかし、トルコショックから2日後くらいには、それまで67万円〜68万円ほどを推移していたビットコインが突如80万円まで高騰。
結果的にその後ビットコインは下落したわけですが、世界規模での金融不安が生じた際に安全資産として機能するという印象をより強めたことでしょう。
この条件で言うならば、今年の中東情勢相場も例外ではありません。
あの時はイラン革命防衛隊のスレイマニ司令官死亡が発覚し、金(ゴールド)や原油など、有事の際に価値が上がる資産が先に高騰していました。
当時、ビットコインは70万円台を割る勢いを見せていたくらい相場状況が悪く、他銘柄も雲行きが怪しい展開に。
ですが、蓋を開けてみれば暗号資産も半日遅れで軒並み価格を上げることとなりました。
そういったことを踏まえても、避難資産として機能する直前は価格が落ちていることが多いと捉えることができるのではないでしょうか。

あくまで僕の予測に過ぎませんが、ビットコインをはじめとした主要暗号資産はもう少し停滞、もしくは価格を落とすと思います。場合によってはビットコイン価格が100万円を切るなんてことも。
ただ過去と同じ動きを辿るのであれば、上がるは上がると思います。どうしても116万円の壁は意識するでしょうけどね。
しばらくは大幅な価格変動が続くかもしれません。乱高下になると思います。

今回はここまでです。来週は雑誌作業などでお休みとなります。
今の暗号資産はパッとしない相場状況ですが、次コラムを更新する時に上がっていることを期待したい。あとビットコインキャッシュが3万5000円、リップルが25円を切ったらどちらかを買えるだけ買おうと思っています。なんか上がってくれそうな気がするので。
それではまた次回。

Profile
文◉大空 翔(おおぞら かける)
山梨県出身。
月刊仮想通貨本誌および月刊仮想通貨デジタルにて執筆、編集などを行う。
「本に携わる仕事がしたい」という一心で業界に飛び込み、日々暗号資産やブロックチェーンに関する知識を会得中。