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“仮想”億り人の暗号資産よりどりみどりVol.15

どうも大空です。
先週は雑誌の方の執筆や編集などでコラムはお休みさせてもらいました。今週からまたバリバリ書いていきます。
前回は11月の終わりということで、1ヶ月のまとめと年末の暗号資産価格予想を書かせてもらいました。あれから約2週間が経ったわけですが、ビットコイン価格は上下を繰り返しながら78万円〜82万円と横ばいで推移。主要アルトコインもほぼ同じような値動きを見せています。特にビットコインは、前日比で3%上がったかと思えばまた3%落ちる、といったような流れを繰り返しており、非常にストレスが溜まる市場傾向なのではないかなと感じます。
さて、今回は僕がなんとなく気になっている暗号資産と、その理由に関して書いていこうと思います。例によって理由は大雑把だったりするので、そこは優しい眼差しで見守ってください。

◆「2020年に高騰? 注目の4銘柄」

さっそく気になっている暗号資産の紹介をしていきましょう。こちらになります。

・バイナンスコイン(BNB)
・フォビトークン(HT)
・ヴィチェーン(VET)
・ジーキャッシュ(ZEC)

まずバイナンスコインとフォビトークンを選んだ理由から説明していきます。
この2銘柄に共通している点は『取引所が発行する独自暗号資産』ということです。そしてもう1つ挙げるとするならば、どちらもグローバルな大手取引所であること。
バイナンスのCEOであるCZ氏はシンガポールで開催されたイベントで、『今後6ヶ月〜9ヶ月で世界180の法定通貨を対応させたい』と発言しました。その言葉がただの願望ではないと言わんばかりに、バイナンスは着実に法定通貨への対応を増やしています。日本円も対応予定通貨に含まれているそうですが、何よりロシアのルーブル(RUB)、EU圏のユーロ(EUR)の追加が大きいと個人的に思っています。人口の数も影響力も違いますしね。
ただロシアに関して言えば、現在ビットコインを始めとした暗号資産決済を禁止しようという動きもあるので、仮に暗号資産決済が禁止になった時にどのような影響が出るのか不透明な点があります。特に、他の国もロシアに追随して暗号資産決済を禁止にするなんてことが起きかねないか心配です。
ロシア繋がりだと、フォビトークンを発行するフォビのロシア支部、Huobi Russiaも11月の末にルーブルの預け入れとIEOのローンチパッドサービスを発表しました。また、フォビは中国政府が支援するブロックチェーンサービスネットワークに加盟することも報じられています。しかも中国の規制当局による圧が強まる中で、中国国内最初の認可された暗号資産取引所になる可能性があるというのもかなり大きな強みだと思います。
つまり、影響力の大きい大国から顧客を誘導しようという動きが活発に見られている点が、これらの価格にも繋がってくるだろうと考えたのです。当然、各国で独自暗号資産も取引可能、もしくは今後可能にしていくでしょうから、一定の需要は見込めるのではないのかなと思っています。
ヴィチェーンを取り上げた理由も中国に繋がっています。
ヴィチェーンは食品・飲料業界向けの追跡システム、『フードゲート』を11月に中国のイベントで発表しました。これは食品・飲料品の生産現場から流通過程までをグローバルに追跡することが可能とのことで、中国の習近平国家主席やフランスのマクロン大統領がフードゲートで実際に追跡されたフランス産食材を試食したことで話題となりました。
他にも、人気ゲームの復刻版でヴィチェーン基盤が利用されるなど、近年実用化が進んでいます。個人的に1番大きいなと思うのが、中国共産党の機関紙・人民日報で『ブロックチェーン業界を牽引するリーダーの1つ』と報道されたことです。このニュースを読んだ時、「ヴィチェーンは実質、中国政府からも認められたプロジェクトという認識でいいのでは?」と率直に感じました。
最後にジーキャッシュですが、こちらはかなりフワッとしています。
まず1つは、先日ハードフォークが行われたイーサリアムがプライバシー強化を目的にジーキャッシュとの相互互換を実現させようとしていること。もう1つがアメリカの大手銀行JPモルガンと提携し、同行の金融向けブロックチェーン「クオラム」のプライバシー保護のために使われることです。
特にJPモルガンに関しては、今年6月にクオラムを用いて債権を一瞬で顧客に届けることを目的とした『JPMコイン』を年末までに試験的に立ち上げるという発表もしていますし、正式に実用されて結果が伴えばジーキャッシュも釣られて価格上昇するかなと、なんとなく安易に考えています。
個人的に上記で挙げた銘柄たちには目一杯活躍してもらい、来年の今頃には2倍、3倍……いや、10倍以上の価格上昇を見せてほしいなと思っています。

今年もいよいよ大詰め。その前に暗号資産市場は1度大きな価格変化が見られるかもしれません。先月のコラムで、僕は『12月中旬頃』にそれが起こるかもしれないと書かせてもらいました。具体的には、『12月12日〜12月19日』のどこかだと思っています。つまり明日から何かが起きるのではないかなと。
次回は今回のコラム配信後1週間の暗号資産市場と、今後の展望について触れていこうと思います。

Profile
文◉大空 翔(おおぞら かける)
山梨県出身。
月刊仮想通貨本誌および月刊仮想通貨デジタルにて執筆、編集などを行う。
「本に携わる仕事がしたい」という一心で業界に飛び込み、日々暗号資産やブロックチェーンに関する知識を会得中。