eToro、合併を経て米ナスダックへの上場を計画

イスラエルを拠点にする取引プラットフォームのeToro（イートロ）が16日、特別買収目的会社（SPAC）であるFinTech Acquisition Corp V（FinTechV）との合併契約が締結したことを発表した。

合併後、両社はeToro Group Ltd.として米ナスダックに上場する予定だという。また、合併後の企業価値の評価額は100億ドル（約1兆900億円）を超える見込みだという。

合併と並行して両社は6億5000万ドル（約709億円）に上る資金の調達も行う予定だ。具体的には1株10ドルで様々な戦略的投資家や機関投資家に対して私募を行う予定で、出資者にはSoftbankのVision Fund 2やFidelity Management & Research Companyが含まれる。

eToroは2007年に「資本市場をオープンに」を掲げイスラエルで設立された。取り扱っている商品は証券や暗号資産（仮想通貨）、外貨やコモディティと多岐に渡る。

取引プラットフォームの中でもSNS的な要素が強いサービスを展開しており、他の個人投資家の戦略をコピーできる機能を備えていることが特徴だ。

同社は2020年に前年比147％となる総額6億ドルの収益をあげ、大きな成長をみせた。ユーザー数も大きく増加しており、2021年1月だけでも120万人の新規ユーザーを獲得している。これは同社の月平均登録ユーザー数が2020年で44万人、2019年では20万人程度であることと比較すると急速に成長していることがわかる。

eToroのCEOであるYoni Assia氏は、今回の発表で「（我々は）ソーシャル投資という資産管理の新しいカテゴリーを拓くことに成功した。このソーシャル投資というマーケットをeToroが独占しているのは急速な成長から明らかだ」とコメントを残している。

同社はナスダックに上場することで、今後さらに規模を拡大させていくことが見込まれる。

さらに、個人投資家同士がお互いの戦略を参考にし、コミュニケーションを取れる「ソーシャル投資」という新しい投資手法が、今後の資産運用の形に影響を与える可能性もあるだろう。

両社の合併の手続きは、2021年の第三四半期に完了する予定だ。

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