2023.02.03
鳥取県は2日、新たに「メタバース課」を立ち上げ、日本初となる自治体オリジナルAIアバターを職員第1号として採用することを発表した。Web3.0時代を見据えた「メタバース関係人口」創出に向けての取り組みとなる。
鳥取県は日本でも人口最小県として知られている。加えて、近年は多くの自治体が抱える人口減少や高齢化、コロナ禍による経済の衰退について、鳥取県では課題として捉え、「関係人口」の創出に向けて様々な取り組みを行ってきたと説明する。
今回、最新の技術とアイデアを用い、より本質的な課題解決へとつなげるべく、鳥取県庁内において架空の部署「メタバース課」を設立し、日本初となる自治体オリジナルAIアバターを職員として採用することになったという。
メタバース課では、メタバース空間内での情報発信を通じて「メタバース関係人口」を創出することを主な目的としている。具体的には、Web3.0という新たな世界が広がる中で、NFT(非代替性トークン)を活用して鳥取県を応援するようなプロジェクトを創出するほか、メタバース上で県の魅力を発信していくことを想定する。
リアルの鳥取観光や物産振興、そしてこれまでにない新たな関わり方が生まれることに期待がかかる。プレスリリースでは、メタバース空間内での鳥取県の知名度を高めることで、世界中の人たちと新たなつながりが生まれ、将来的には人口減少や高齢化など、様々な課題解決にもつなげられる可能性があると述べている。
さらに、AIアバター職員を採用することで、24時間365日、メタバース空間を通じて世界中から鳥取県に興味を持つ人たちとコミュニケーションを取ることが可能な点も特徴として挙げた。
今回、メタバース課で新たに採用されたAIアバター職員の名前は「YAKAMIHIME」。メタバース課は、NOBORDER.zFZA(ノーボーダーズ)が開発するメタバース「XANA(ザナ)」内に設けられ、スマートフォンアプリやパソコンでだれでも無償で訪問できるという。
YAKAMIHIME(八上姫)の名前は、鳥取県が舞台となっている神話「因幡(いなば)の白兎」が由来となっている。コミュニケーションを重ねることで学習を積み、人々のパートナーとなる未来を見据え採用されたAIアバター職員だと説明している。
鳥取県ではNFTを活用した取り組みにも一定の成果がみられている。鳥取市が先月、観光資源の画像に人気キャラクターを組み合わせたNFTアートをふるさと納税返礼品に加えたところ、受付開始から約8分で全222種が完売した。
他地方自体においてもNFTを取り入れた取り組みは活発化しており、今後も様々な事例が見受けられるものとみられる。
画像:鳥取県