月間暗号資産

  • HOME
  • NEWS
  • バイナンスUSがボイジャーデジタルを10億2200万ドルで落札

バイナンスUSがボイジャーデジタルを10億2200万ドルで落札

今年7月に米連邦破産法第11条(チャプター11)適用を申請したボイジャー・デジタル(Voyager Digital Ltd.)は19日、暗号資産取引所バイナンス(Binance)の米国法人・バイナンスUSを資産の売却先として選択したことを発表した。声明によると、バイナンスUSの入札額は10億2200万ドル(約1,365億円)だという。

ボイジャーは今回の決定に至った理由について、「迅速な時間枠で顧客やその他の債権者に返される価値を最大化するという目的で、戦略的オプションを検討した結果だ」と説明した。また、バイナンスUSについては「最高かつ最良の入札者」と述べた。さらに、「バイナンスUSの入札は、裁判所が承認した支払いとプラットフォームの機能に従い、暗号資産を現物で顧客に返すこと」と付け加えている。

入札額の10億2200万ドルについては、ボイジャーの暗号資産ポートフォリオにおける現在の市場価格と、価値の増加分に相当する追加価値を加えたものだという。この追加価値については、破産したスリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital)に対する請求権も含まれている。

バイナンスUSは1000万ドル(約13億3,200万円)の預託金を支払い、最大1500万ドル(約20億円)までボイジャーに一定の経費を償還するという。今後、来年1月のヒアリングを通じて、ボイジャーはバイナンスUSとの間における資産売買契約の締結について、破産裁判所の承認を求めていくという。

また、バイナンスUSへの売却はチャプター11の計画に沿って行われ、債権者の投票の対象にもなると説明。バイナンスUSとボイジャーは、破産裁判所がチャプター11の計画を承認後、速やかに取引を行うとしている。

バイナンスUSのCEOであるブライアン・シュローダー(Brian Shroder)氏は発表で、「我々の入札は、ユーザーを第一に考えるという指針を反映したものだ」とコメント。さらに、「我々の目標は、可能な限り早いスケジュールでユーザーに暗号資産を返却するというシンプルなものだ。我々の選択が自らの過失によらず不当に巻き込まれたユーザーの痛みを伴う破産プロセスに終止符を打つことを望んでいる」と続け、「取引終了後、ユーザーはバイナンスUSでシームレスに資産へアクセスすることができる」と述べた。

ボイジャーの資産を巡っては、9月に2週間にわたりオークションを開催していた。当初は先月破綻した暗号資産取引所FTXの米国法人であるFTX USが14億2200万ドル(約1,800億9,500万円)で落札していた。

画像:Shutterstock

関連記事

FTX US、破産したボイジャーデジタルを約2,000億円で落札

暗号資産ブローカー・Voyager Digitalが破産申請 Three Arrows Capitalに続く形

バイナンス、FTXの買収を撤回「もはや我々の支援能力を超えている」と強調