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USDC発行の米サークル、コンコードとのSPAC上場計画を白紙に

米ドルに裏付けられたステーブルコイン・USDコイン(USDC)を発行・運営する米サークル(Circle)は5日、上場特別目的買収会社(SPAC)であるコンコード・アクイジション(Concord Acquisition Corp=NYSE:CND)社と合併し、ニューヨーク証券取引所に上場する計画を白紙撤回すると発表した。

SPACとは「特定の事業がなく、未上場企業の買収を目的として設立された企業」を指す。SPACを先に上場させて資金調達を行い、その後、企業が買収する。それにより、買収を行った企業が結果的に上場を果たすという仕組みだ。

サークルとコンコードの合併計画は昨年7月に発表され、今年2月に修正されていた。契約書の条項では、SEC(米証券取引委員会)が合併に関する登録届出書(Form S-4)を有効とした場合、コンコードは今年12月10日までに合併を完了させるか、株主投票による来年1月末までの延長を求めなければならないと記載されていた。

しかし、現時点で登録届出書は有効なものとしてSECに認められていない。発表によると、企業合併計画の解消はサークルおよびコンコードの両社の取締役会により承認されたという。

サークルのCEOであるジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は発表で、「コンコードはこのプロセスを共にした強力なパートナーで付加価値を提供してきた。ボブ・ダイヤモンド(Bob Diamond)会長とコンコードの様々なチームによるアドバイスとサポートから、サークルは引き続き恩恵を受けることができる」とコメント。さらに、「この合併がタイムアウトになったことは残念なことだが、今後も長期的な公開会社の構築に引き続き注力していく」と述べ、上場計画を諦めていない姿勢を明確にした。

コンコードのダイアモンド会長も発表で、「サークルはブロックチェーンによる金融サービスのイノベーションにおいて、非常に重要な役割を果たしている。私はサークルが成長し続ける限り支援していく」と語った。

また、サークルはプレスリリースで業績についても発表。2022年第3四半期の収益と準備金金利収入の合計は2億7400万ドル(約377億円)、純利益は4300万ドル(約59億円)になり、黒字化したと報告した。

加えて、使途に制約のかかっていない現金残高は約4億ドル(約550億円)にのぼるとしている。

画像:Shutterstock

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