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イエレン米財務長官、暗号資産市場に対し「より強力な監視が必要」と声明

ジャネット・イエレン(Janet Yellen)米財務長官は16日、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻を受け、暗号資産市場により強力な監視が必要との声明を発表した。

イエレン氏は声明で、「最近の大手暗号資産取引所の破綻と、暗号資産の所有者と投資家にもたらされた不幸な影響は、暗号資産市場をより強力に監視する必要があることを示している」と述べた。

財務省と規制当局は過去1年間で「顧客資産の混同、透明性の欠如、利益相反」など暗号資産市場のリスクを特定してきたと言及。イエレン氏は、こうしたリスクが「先週観測された暗号資産市場のストレスの中心的な存在となった」と述べている。

また、「これらのリスクに対処するように設計された、ほとんどの金融商品と市場について、投資家と消費者を保護するための非常に強力な法律を設けている。暗号資産サービスについても消費者保護のために、同じ原則と規則が厳格に適用され、施行する必要がある」と続け、議会や米政府が「規制の隙間」を埋めるべく、迅速に行動する必要があると指摘した。

イエレン氏は、FTXの影響は「暗号資産市場に限定されている」とする一方で、金融安定監督評議会が報告書で「従来の金融システムと暗号資産市場の相互関係がさらに進めば、金融の安定性に関してさらに大きな懸念が生じる可能性もある」と警告したことを挙げた。その上で、「金融の安定性において、より広範な懸念を引き起こす可能性がある。今後、これらのリスクに対処するために必要なことを行い、消費者を保護し、金融の安定化を促進するために行動することが重要だ」と述べた。

上院の銀行委員会と下院の金融サービス委員会は、12月に公聴会を開催する予定だ。発表によると、この公聴会ではFTXの元CEOであるサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏や、アラメダ・リサーチ(Alameda Research)、そして大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)の関係者らの召喚を希望している。

今年に入り暗号資産市場の状況が悪化する中で、サム氏は企業の救済に名乗り出るなど、業界を代表する存在となっていた。そのサム氏が率いるFTXは11日に米連邦破産法11条(Chapter11)を申請し、業界の内外に衝撃を与えた格好だ。

これを受け、米国およびバハマなどの規制当局は証券法違反等の可能性があるとして調査を開始している。

画像:Shutterstock

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