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バイナンスCZ氏、業界回復基金を設立 流動性危機への対応を支援

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のCEOであるCZ(Changpeng Zhao)氏は14日、暗号資産取引所FTXの破綻による連鎖的な影響を軽減する目的で、業界回復基金を設立する方針を明らかにした。

CZ氏はTwitterを通じ、「流動性危機に瀕しているプロジェクトを支援する」と説明した。詳細については近日中に発表するとしており、その間に適格者であると思われるプロジェクトや企業はBinance Labsに連絡をするよう促した。さらに、暗号資産業界以外においてもバイナンスと共同で投資を行い意思がある企業があれば歓迎すると述べている。

CZ氏は、「暗号資産は消えない。私たちはまだここにいる。再建しよう」と呼びかけた。

一連のFTX騒動の影響を受け、暗号資産業界では徐々に連鎖的な悪影響が見られている。

暗号資産レンディングサービスを提供するBlockFiは11日、顧客の出金を一時停止すると発表した。

BlockFiは今年7月に救済措置を目的としてFTX USと提携している。9日には同社COOがサービスに支障はないとの声明を出していたが、結果的には通常通りの業務を行えないとの判断に至った。

また、FTXの日本法人であるFTX Japanにおいても、未だ顧客に対し暗号資産の出金が実施されていない状況にある。

FTX Japanは14日、顧客資産の管理状況などについて発表。国内に準拠する形で分別管理を行い、暗号資産および日本円、米ドルの法定通貨については全て預入資産を上回る数量を保有していると報告している。

透明性を巡る問題では、他暗号資産取引所においても見受けられた。

13日、暗号資産取引所Crypto.comが暗号資産取引所Gateに対し、記事執筆時点で560億円相当の32万ETHを送金していたことが明らかになった。この送金は先月21日に行われたが、現時点では全てCrypto.comに戻っているという。Crypto.comはこの件について「誤送金だ」と述べており、再発防止に向け新たなプロセスを講じたとしている。

中央集権的な取引所等について、CZ氏はFTX騒動を経て「透明性の確保が必要だ」と主張している。この一環で、10日にはバイナンスが保有する6銘柄のコールドウォレットのアドレスと保有残高を公開した。

今回の騒動により、暗号資産の管理体制等に関して各国で規制が強化される可能性がある。

また、現時点で様々な暗号資産取引所等から出金を行う動きが強まっており、今後も連鎖的な影響が見られる可能性も考えられることから、動向を注視する必要があるだろう。

画像:Shutterstock

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