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Ginco、暗号資産ウォレットに関する特許を取得

ブロックチェーン技術インフラを提供するGincoは12日、暗号資産(仮想通貨)ウォレットに関する特許を取得したことを発表した。暗号資産を取り扱う金融機関が、安全かつ高い費用対効果で業務態勢を構築することを可能とするものであるという。

この特許技術を利用した「Ginco Enterprise Wallet」はセキュリティと業務効率を両立させるエンタープライズサービスだ。Gincoによると、同サービスは暗号資産交換業者を中心とする金融機関に利用されており、国内暗号資産交換業者への導入シェアはNo.1だという。

今回取得した特許は、2019年に資金決済法改正が実施され、暗号資産交換業者における資産管理業務の負担が増大したことを背景として発明されたもので、同年10月に申請が行われた。

この技術は金融機関などが暗号資産やセキュリティトークン、ステーブルコインなどのデジタル資産を取り扱うケースでの利用を想定している。現行法制において、顧客の暗号資産を預かる事業者には分別管理が義務付けられており、当該資産を原則、オフライン環境で管理する必要がある。

これらの管理業務においてはセキュリティとガバナンスを強化するため、複数の秘密鍵を用いたマルチシグが利用されている。しかし、オフライン環境で複数の秘密鍵を操作し、暗号資産を取り扱うためには煩雑なオペレーションが必要となり、事業者への負担が増加する傾向にあったとGincoは指摘する。

今回特許申請した技術は、暗号資産の秘密鍵を扱う端末が外部との通信と接続を行うことがなく、デジタル完結で暗号資産の送金処理などを実現することで、高いセキュリティを保ったまま円滑に上記オペレーションの遂行を可能とするものであると説明する。

この技術を活用することで、金融機関に以下のようなメリットが生じるという。

  • 顧客資産を100%コールドウォレットで管理し続けることができる。
  • マルチシグによる相互牽制を組織体制や業務オペレーションに柔軟に組み込むことができる。
  • オンライン・オフラインを切り替える端末操作を要さず業務の省力化が可能になる。
  • 顧客の要請に応じた迅速な入出庫管理が可能になる。

Gincoは今回取得した特許について、多様化するデジタル資産やそのユースケースにおいて、高いセキュリティと利便性を両立して安心・安全に資産管理を行いたいというニーズに幅広く応えるものだと説明。その上で、NFT(非代替性トークン)等を利用したWeb3.0時代のユースケースにおいても市場拡大・取り扱い金額の増加に伴うセキュリティ&ガバナンスの強化に利用可能だと述べている。

画像:Shutterstock

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