2022.05.17
野村ホールディングスが、暗号資産(仮想通貨)関連の新会社を海外に設立することがわかった。16日、Financial Timesが報じた。
新会社では、2024年末までに暗号資産に精通した100人の新規スタッフを雇い入れる。また、暗号資産、DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)に関連した事業を今年末までに開始する予定だという。
近頃、野村は暗号資産関連事業に積極的に取り組んでいる。先週にはアジアでビットコインのデリバティブ取引を始めたことも報道されている。
米大手デリバティブ取引所CMEと大手マーケットメイカーCumberland DRWと提携してビットコイン先物、オプション取引を始めた。ゴールドマン・サックス、JPモルガンといったライバル企業と同じく、顧客に暗号資産への投資サービスを開始した格好だ。
新会社は野村ホールディングスから派遣された役員がマネジメントを行う。さらに、新規に外部から幅広い分野で人材を採用するという。海外に拠点を置く理由の1つとして、ブロックチェーンに関連した人材は海外に拠点を置いた方が集まりやすいという点を挙げているようだ。当初は野村ホールディングスから15人ほどの出向者が運営にあたる予定だという。
会社名などはまだ明らかになっていないが、野村ホールディングスのホールセールビジネス責任者であるジェズ・モヒディーン(Jez Mohideen)氏が指揮を取って行く見込みだ。
野村ホールディングスの幹部は、「投資家はインフレという環境下では大きなストレスにさらされている。多くのファンドマネージャーがブロックチェーン技術について投資機会の可能性を見出している」と述べたという。
野村ホールディングスは2019年にWeb3.0を見据え「未来共創カンパニー」を設立した。これまではラボ(実験室)的な部署であったが、先月には「デジタル・カンパニー」と改名し、新会社として再び立ち上げた形だ。人員や部署を増やし、暗号資産、NFTなどの領域で収益化に向けて取り組んでいく。
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