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米ニューヨーク州、PoWの暗号資産マイニングを規制する法案可決

米ニューヨーク州議会の下院で26日、PoW(プルーフオブ・ワーク)を利用する暗号資産(仮想通貨)のマイニングを行う企業に対して、2年間規制を強化する法案が可決された。

この規制強化は、石炭を用いた火力発電を利用するPoWが環境へ与える悪影響を懸念してのものだという。

今回、州議会下院で可決された「A7389C」法案(モラトリアム法案)は、ビットコインをはじめとする暗号資産のマイニング企業に対する業務ライセンスの新規発行を2年間停止するという内容だ。また、すでに業務ライセンスを得ている企業に対しても、消費電力が増加する場合はライセンスの更新が停止されることになる。

ニューユーク州では、2019年に「気候リーダーシップ・地域保護法(通称Climate Act)」が制定されていたという背景がある。Climate Actは2050年までに温室効果ガス排出量の削減や森林などの再生を通して炭素排出量をネットゼロにすることを目指している。

今回可決されたモラトリアム法案内では、「ニューユーク州でPoW方式のマイニングが継続されれば、Climate Actへの遵守に大きな悪影響を与えることになる」と記されている。

一方で、ニューヨーク州での暗号資産マイニングへの規制に対して、暗号資産業界からは大きな反発の声が上がっている。

暗号資産やブロックチェーンの規制および立法への助言に携わるBlockchain Assosiacionの代表取締役を務めるKristin Smith氏は、今回の法案がニューヨーク州の暗号資産産業の発展を止めるものとして、強く反対の意見を述べている。

同氏は、「このような法律は、暗号資産の起業家に対して不穏なシグナルを送るもので、ニューユーク州での暗号資産業界の発展に悪影響を与える」とコメントを残した。

ニューヨーク州では、市長に就任したばかりのEric Adams氏が同州を「暗号資産業界の中心地にする」と表明している。

今後、この法案は上院で審議されることになる。もし法案が可決されることになれば、ニューヨークが暗号資産業界の中心地になる計画に歯止めがかかるばかりか、マイニング企業らが他の州に移ってしまうことも懸念される。

画像:Shutterstock