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米コインベース、南米最大の暗号資産取引所を買収へ

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、南米最大の暗号資産取引所・Mercado Bitcoinを持つブラジルの2TM社の買収を4月末までに完了する予定であることがわかった。27日、地元紙「O Estado de S.Paulo」が伝えた

なお、情報元については明らかにしていない。さらに、コインベースと2TMにおいても報道についてコメントを発表していない。この報道を受け、コインベース(NASDAQ;COIN)の株価は28日に6%の上昇を見せた。

報道によれば、コインベースと2TMの買収交渉は昨年から行なわれてきた。

2TMは日本のソフトバンクが主導したB資金調達ラウンドに成功し、現在の企業価値は22億ドル(約2,670億円)と評価されている。2TMの傘下には、南米最大の暗号資産取引所であるMercado Bitcoinを筆頭に、「Meubank」、「MB Digital Assets」、「Bitrust」、「Blockchain Academy e MezaPro」などの取引所がある。

また今回の買収を通じて、ブラジルで複数の企業を買収している2TMは、南米での成長を加速させ、チリ、コロンビア、メキシコ、アルゼンチンに進出していく予定だ。

O Estado de S.Pauloによれば、この買収には、大手暗号資産取引所であるバイナンス(Binance)も情報を掴み注視していたようだ。バイナンスはブラジルの暗号資産市場が今後1200億レアル(約3兆650億円)に達する予測しており、同国企業の買収を視野に入れていたと同紙は伝えている。

コインベースは2021年第4半世紀の決算説明会で、暗号資産業界において競争が激化していることについて触れ、「数十億ドル規模のビジネスチャンスがある中で、暗号資産の市場規模を捉え、チャンスを拡げていくかに焦点を置く」と述べていた。

実際に、月額のサブスクリプションサービスを開始し、その他会員制サービスの提供を行うなど、他社との差別化を図る様々な試みを行っている。

そうした状況で、コインベースは南米にもサービスを提供し、規模を拡大させていく。今後、さらなる発展が予測されるブラジル、しいては南米地域でコインベースがどのようなサービス展開を見せるか、注目が集まるだろう。

画像:Shutterstock