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三菱UFJがブロックチェーン用いた高速決済事業「GO-NET」を停止

三菱UFJファイナンシャルグループ(MUFG)はブロックチェーン技術を活用した決済事業の「Global Open Network Japan(GO-NET JAPAN)」の事業を停止する。22日、同社が発表した。

2021年4月にスタートしたが、長期にわたり、黒字化が見込めないことが原因だという。今後は取引先、関係各社との協議を経て、清算手続きに入る。今回の事業停止がMUFGの連結業績に与える影響は「軽微」としている。

GO-NETは米大手ネットワーク会社・アカマイ・テクノロジー(Akamai Technologies)と共同で設立した。出資構成は、MUFGが80%、アカマイが20%。超高速オンライン決済ネットワークの開発を進めてきた。

世界に広がるアカマイのネットワークにブロックチェーン技術を活用することで、少額多頻度決済サービスを展開する計画を立てていた。アカマイ社が開発した独自ブロックチェーンを用い、MUFGが主導してオンライン決済ネットワークの開発を進めてきた。毎秒10万件の決済取引を処理可能であるとし、自動販売機でクレジットカードをかざすだけで決済できる「タッチ決済」の計画や、アミューズメント施設、コインパーキング、食券販売機での利用、コンビニエンスストア、ドライブスルー、フードコート等々、少額のタッチ決済が利用できる場所で事業を展開していく予定であった。また、2029年までに飲料自販機市場で、決済システムを導入し、30%のシェアを獲得できれば売上は130億に達すると事業計画を公表していた。

事業停止の背景に新型コロナウイルスのパンデミックによる決済件数の伸び悩みなどを挙げた。今後、IoT(Internet Of Things=モノのインターネット)事業において、GO-NETの高速大容量のブロックチェーンを必要とする市場を捉えることができない。事業化には想定より時間を要することがわかった。その結果、長期にわたって事業の黒字化が困難であることから、事業を停止することが望ましいと判断したという。

MUFGは今回の発表で、今後もDX(デジタルトランスフォーメーション)に力を注いでいく方針に変更はないと説明。また、アカマイ社とは今後も様々な分野で協力関係を構築していくことを議論し、同事業での経験を活かして、国内外企業との提携や協業、新たな技術を活用したオープンイノベーションを加速させ、新たな取り組みを進めていくとした。

画像:Shutterstock