2022.02.17
F1チームのオラクル・レッドブル・レーシング(Oracle Red Bull Racing)は16日、シンガポールに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)取引所Bybitと1億5000万ドル(約172億円)で3年間に渡るスポンサー契約を締結したと発表した。レッドブルによれば、暗号資産企業によるスポンサーシップの中では年間最大額で記録的なものだという。
レッドブルは最近、IT技術大手のオラクル(Oracle)と、高額のタイトルスポンサーシップを締結。ホンダがF1活動を終了した穴を埋め、新しく立ち上げたレッドブル・パワートレインズの資金調達に成功した。
Bybitは複数年契約により、チームのタイトルパートナーであるオラクルに次ぐ、チームのトップレベルのアライアンスとなる。このスポンサーシップ契約により、Bybitはレーシングチームのプリンシパルパートナーを務めると共に、チームのファン・トークンの発行を担い、ファン拡大にも貢献していくという。また、暗号資産取引プラットフォームとして、デジタル資産コレクションの配布でチームをサポートする。
レッドブル・レーシングのチーム代表兼CEOのクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)氏は「Bybitを迎え入れることができ、嬉しく思います。2022年にF1が新世代の競争に入り、先進的でゲームを変える新しい形態のマシンがコースに投入されるなか、テクノロジーの最先端にいるBybitが入ることはまさにうってつけです」とコメント。
続けて、「彼らは現状打破というチームの情熱を理解してくれています。Bybitはデジタル技術の革新を通じ、F1のファン体験を盛り上げてくれるでしょう。これはチームにとっても重要な使命です。Bybitの支援によって、世界中のF1ファンがチームとより深く、より熱狂できるつながりを築くことができるようになります」と語った。
また、Bybitの共同設立者兼CEOのベン・ゾウ(Ben Zhou)氏は「レッドブル・レーシング独自のエネルギーと創造性は私たちを熱狂させます。我々は価値観の核心でつながっています。スピード、安全性、信頼性の完全なる調和はユーザーが私たちに求めているものと同じです。サーキットではシャーシ、エンジン、職人技を一つにして完全な物にするたゆまぬ努力と、アドレナリン全開のゲームで正確さと集中力を追求するレーシングドライバーによって実現されるのです」 とコメントを寄せた。
現在、多くのチームが暗号資産の企業と関係を築き始めている。クリプト・ドットコム(Ceypto.com)はアストンマーチン(Aston Martin)のスポンサーとして契約し、アルピーヌ(Alpine)はバイナンス(Binance)と提携。ファン・トークンを発行すると発表した。
また、メルセデス(Mercedes)は昨年9月にFTXと契約し、マクラーレン(McLaren)もトルコのBitci.comと提携。フェラーリ(Ferrari)においても、スイスのVelas Netoworkと提携した。
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