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カナダ、緊急事態法に基づき特定の暗号資産ウォレットの取引停止を要請

カナダの王立カナダ騎馬警察(RCMP:Royal Canadian Mounted Police)が、現在発動中の緊急事態法において、AML/CFT(マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策)規制の範囲を拡大し、クラウドファンディングプラットフォームと決済サービスプロバイダーを対象に加え、暗号資産(仮想通貨)取引を規制範囲として特定のウォレットアドレスの取引停止を要請した。16日、地元メディア・The Globe and Mailなどが報じた

カナダのジャスティン・トルドー首相は14日、新型コロナウイルスワクチンの義務化に抗議するトラック運転手たちのデモを取り締まるため、緊急事態法を発動した。緊急事態法の発動は1988年の制定以来初めてとなる。

カナダ政府が米国との国境を越えるトラック運転手にワクチン接種を義務化したことで抗議が始まったが、今では新型コロナウイルス対策に対する全ての措置に抗議する大規模なデモに発展し、カナダ全土に広がった。

新型コロナウイルス規制への抗議は3週目に突入し、首都オタワの道路や米カナダを結ぶ重要な道路をトラックで閉鎖するなど、交通が完全に遮断されている。

トルドー首相は緊急事態法発動について、「これはカナダ国民の安全を確保し、人々の仕事を守るものだ」と会見で述べた。そして警察に対し、デモ参加者の収監や罰金の支払い命令、口座の凍結などを指示し、「重要なインフラを守るためのより多くの手段が使われるだろう」と語った。

緊急事態法では軍の投入が認められているが、今のところ軍への要請はしていない。その代わり、デモの資金源凍結を重視し、寄付を阻止する姿勢を見せている。

クラウドファンディングサイトのTallycoinでは、トラック運転手のデモに対する寄付が20BTCを超えたと伝えられている。政令を受け、主催者はクラウドファンディングを一時閉鎖したが、他の暗号資産を使用することで寄付活動が再開されているという動きもある。そういった状況から、警察当局はカナダ金融取引・報告分析センター(FINTRAC=Financial Transactions and Reports Centre of Canada)と連携して、デモに対する寄付活動の調査を開始した。

また、オンタリオ州警察(Ontario Provincial Police)およびRCMPの規制下にある全ての金融機関に対し、トラック運転手を中心とした国内のデモ活動に資金提供を行うとみられる暗号資産ウォレットの取引停止を要請した。要請されたウォレットアドレスはビットコイン(BTC)をはじめ、イーサリアム(ETH)、エイダ(ADA)、イーサリアムクラシック(ETC)、ライトコイン(LTC)、モネロ(XMR)など、30を超える。

画像:Shutterstock