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ランサムウェアで奪われた暗号資産、70%超がロシアへ送金と判明

ブロックチェーンデータ分析等を手がけるチェイナリシス(Chainalysis)が14日、金融犯罪に関する最新のレポートを公表した。このレポートによると、世界のランサムウェアやマネーロンダリングにロシアが最も関わっているとされている。

ランサムウェアとは、コンピュータウィルスプログラムの一種で、感染するとパソコンなどに保存されているデータを暗号化してしまい、使用不可能な状態にし、復元させるために金銭を要求する不正プログラムである。チェイナリシスの分析によれば、ロシアは暗号資産(仮想通貨)を導入する先進国の1つであり、暗号資産導入指数で総合18位にランクインしている。

ロシアは世界で最も熟練したハッカーの拠点ともされている。ロシア連邦保安庁安全保障局が先月14日に、一部メンバーを逮捕する事態となったハッキング組織「REvil」のランサムウェア・Raasは、昨年の米大手石油パイプラインColonial Pipelineの攻撃に使われた。逮捕されたメンバーの居住地からは、4億2600万ルーブル(約6億4,200万円)や60万ドル(約6,900万円)の暗号資産のほか、パソコンや暗号資産ウォレット、20台の高級車が押収されたという。

また、「Evil Corp」というロシアを拠点とするサイバー犯罪組織もある。同組織はランサムウェアを乱発しており、そのリーダーはロシア政府とつながっているとも噂されている。

チェイナリシスは、ブロックチェーン分析とWebトラフィックデータを組み合わせて解析を行った。レポートによると、2021年のランサムウェアによる総被害額のうち、74%にあたる4億ドル(約461億円)以上の暗号資産が何らかの形でロシアにおいてマネーロンダリングされていると報告されている。

ランサムウェアに記載された暗号資産のアドレスから送られた資金のうち、ロシアのユーザーに送られたものは13%に上り他の地域よりも多かった。また、ロシアでのマネーロンダリングは、ランサムウェアの強奪資金だけではなく、他のサイバー犯罪に関連する資金も含め行われていると分析している。ロシアには不正なアドレスから送金された暗号資産を処理している業者が複数存在し、チェイナリシスではモスクワ市だけで数十の暗号資産業者を追跡しているという。

画像:Shutterstock