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バイナンス、タイの電力会社大手と暗号資産取引所を設立へ

タイの電力会社大手のガルフ・エナジー・デベロップメント(Gulf Energy Development Public Company Limited)が17日、同国における暗号資産(仮想通貨)取引所設立に向け、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)と覚書を交わしたと発表した。ガルフはタイの億万長者であるSarath Ratanavadi氏がオーナーの会社。実現すれば、バイナンスの東南アジア進出の足がかりになるとみられる。

タイの証券取引委員会(SEC)は昨年7月、バイナンスを刑事告訴した過去がある。SECによると、バイナンスがライセンスを取得することなく暗号資産ビジネスを行っているとし、暗号資産事業に関する緊急政令B.E.2561に基づく違反行為であると認定してタイ王国警察の経済犯罪抑止部門(ECD)に刑事告訴した。バイナンスは罰金を払った後、タイ国内のサービスを停止し、撤退した。

今回の発表は、東南アジアへ進出を試みようと足がかりを探していたバイナンスと、タイの電力会社大手でナスダックにも上場しているガルフのオーナーSarath Ratanavadi氏の意見が一致した結果だ。ガルフ傘下のガルフ・イノバ・カンパニー(Gulf Innova Company Limited)とバイナンスグループが暗号資産取引所設立と関連事業の展開における覚書を交わし、バイナンスは取引所を開設するための技術等を提供し、イノバ社が取引所の運営をする。

イノバ社はリリースで「タイにおける暗号資産の需要が高まっている。特に金融インフラの効率化などにおいて重要な役割を担うことになる。タイではデジタルアセットとブロックチェーンのインフラ整備が進んでいる。当社はバイナンスと提携することで、デジタルアセットの価値を高めることができると考えている。今回の提携でバイナンスもアジアでの成長の足がかりとなるだろう」と述べた。

世界戦略を立てるバイナンスの動きは最近になって加速している。昨年12月には、インドネシアに暗号資産取引所を設立することを発表した。同国の大手通信企業Telkom Indonesiaのベンチャーキャピタル部門のMDI Venturesが主導する企業連合と協業する。

また、同月にはドバイ世界貿易センター局(DWTCA)によって設立された新暗号資産ハブにも参加した。

画像:Shutterstock