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海底火山の大規模噴火が発生したトンガ、ビットコインを利用した寄付活動開始

エメラルドブルーの海に囲まれた島国トンガ王国では、15日に発生した海底火山の大規模噴火により、現在は火山灰により月面のような風景に様変わりしている。現地では電話やインターネットでの通信が困難な状態が続いている。

噴火後3日経った記事執筆時点においても被害の詳しい状況こそわからないものの、国連の撮影した衛生写真からは甚大な被害を被ったことがうかがえる。周辺諸島にも津波による大規模浸水被害が広がり、多くの構造物が損傷しているようだ。青々としていた熱帯雨林が一転、色の失われた世界に変貌してしまったと言える。

そのような状況下で、ビットコイン(BTC)を利用した募金活動の動きが相次いでいる。

まず立ち上がったのはBLAIR氏だ。同氏は本国のビットコイン支持者として知られる貴族議員のLord Fusitu’a氏に連絡を取り、トンガの救済資金のためにビットコインを寄付できるウォレットアドレスを設定するようにアドバイスを送った。

現在、海底ケーブル等が断絶されてしまっているなど、銀行機能がマヒしている状態で、現地への送金はできない。

Fusitu’a氏によれば、ビットコイン関連ブロックチェーン企業・Blockstream社のSamson Mow CSO(最高戦略責任者)が2021年に同氏へ寄付したビットコイン衛星キットを活用することで、ビットコインによる送金は有効のようだ。ローカルエリアのネットワークさえ復旧すれば、ビットコインを被災者に配布することも可能になるという。

Fusitu’a氏は救援活動の支援のためにビットコインを寄付することができるウォレットアドレスを公開。このビットコインアドレスには記事執筆現在、0.26BTC(約126万円)集まっている。

噴火前、Fusitu’a氏はTwitter上でビットコインの法定通貨化を推進するための計画を示していた。もしビットコインを法定通貨にすれば、エルサルバドルに次ぎ2例目となる。

同氏によれば、まず今年の9月、もしくは10月に法案を国会に提出。可決されれば、トンガ王国陛下に承認を経て、2〜3週間後に政府によって法律が公布される。これにより、ビットコインが法定通貨として認められるという流れだ。法整備に際しては、昨年9月にビットコインを法定通貨化したエルサルバドルをモデルにするという。

Fusitu’a氏はビットコインが法定通貨として採用されれば、送金コストが大幅削減されると述べる。送金に関する問題はエルサルバドルでも同様の事情があり、ビットコインの法定通貨化を推進する要因の1つとなっていた。

トンガはオーストラリア、ニュージーランド、米国などからの送金に大きく依存している。同氏は、ビットコインの法定通貨化により、トンガ国民の可処分所得が30%増加すると予測している。

今回の災害でトンガ王国の国民にビットコインの有用性が広く認知されれば、ビットコイン法定通貨化の動きが加速する可能性は高い。

画像:Shutterstock