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中国人民銀行、デジタル人民元のデジタルウォレットをローンチ

中国人民銀行が3日、デジタル人民元のパイロット版デジタルウォレットのアプリをローンチしたことが明らかになった。ロイターなどが報じた

同アプリはiOSとアンドロイドに対応しており、それぞれの中国アプリストアでダウンロードできるという。

中国人民銀行のデジタル通貨研究所が手がけるデジタル人民元のアプリは、従来プライベートリンクを介してのみダウンロード可能であった。今回のローンチにより、同アプリは誰でも無料でダウンロードできるようになったが、新規ユーザー登録は上海や北京をはじめとしたデジタル人民元の試験運用が行われる特定の地域に限定されているという。

また、アプリ内の注意書きには同アプリがまだ研究開発段階にあること、そして大手国内銀行などデジタル人民元のサービスを提供する組織を介してのみ、デジタルウォレットが利用可能であることが明言された。

昨年11月、中国人民銀行の易綱総裁は、中国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発を引き続き推進し、従来の決済手段との互換性を含めたデザインおよび利用性を改善していく方針を示している。さらに年度末の会議でも、デジタル人民元の研究と開発を推し進める意向が表明された。

中国では特にAlipayやWeChat Payをはじめとした既存のデジタル決済手段が利用されていることを踏まえると、デジタル人民元はこれらの決済手段との互換性が重要視されているとみられる。

中国は現在も抽選で当選した市民にデジタル人民元を配布する実証実験を行っており、国民にデジタル人民元の利用を促している。2020年末には蘇州市で合計2000万人民元(約3億6,000万円相当)のデジタル人民元が配布されたことからも、同国がデジタル人民元の普及に尽力していることがうかがえる。

今回のアプリローンチは2月から開催される北京冬季五輪を目前として行われた。開催期間には中国の銀行口座を保有しない外国観光客もデジタルウォレットのアプリを利用できるとされており、同国がデジタル人民元を世界的にアピールする機会になる見込みだ。

画像:Shutterstock