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暗号資産200億ドルを保有するパキスタン、商工会議所が政策提言

現在、パキスタンでは暗号資産(仮想通貨)取引が過熱している。同国商工会議所(FPCCI)のNasir Hayat Magoon会長は、パキスタン人が保有する暗号資産は200億ドル(約2兆2,860億円)に上ると明らかにし、パキスタン政府に暗号資産に関する政策を提言した。「暗号資産の今後の展望」というレポートにまとめ、発表を行った。

レポートによると、パキスタン国内への暗号資産の導入指数において、インドやベトナムに続いて、世界3位の数字を記録している。国内には200億ドルの暗号資産が存在しているが、その事実がありながらもパキスタン政府は暗号資産を未だだグレーゾーンに置いていると主張している。

パキスタン国立銀行は一般市民に対し、暗号資産について触れないよう忠告し、企業についても暗号資産による取引を禁止している。さらに金融活動作業部会(FATF)はパキスタン当局に対し、暗号資産の規制強化を求めている。しかし、実際に暗号資産の取引はピアツーピア(P2P)で行われている。

国内外のパキスタン人が保有する数十億ドルの暗号資産は大きな可能性を秘めている。投資家が蓄積した暗号資産を法整備により、流動化の自由を与えれば外貨準備高を急増できる。そのためには、「キャピタルゲインに対する課税と、資産申告制度が求められる」と提言。そして経済的利益を保護し、新システムに対する脆弱性を抑えるため、エコシステムを採用するための規制的枠組みと国家暗号資産戦略を早期に立てる必要がある、と主張する。

金融活動作業部会(FATF)はパキスタンを監視対象国としており、マネーロンダリングとテロ資金対策も疎かで、失敗していると指摘。また、諸外国からマイニング企業が相次いで参入してきているため、膨大な電気量消費が行われている。マイニングに対する規制や施策も放置されているとも付け加えている。

今後、資産申告制度を導入することや、暗号資産をパキスタンで合法的に換金するためのプラットフォームを構築・設置すること、国内で資産として保有する場合は15%の課税を処することなどを行えば、申告者も増えることになると指摘している。

さらに国内株式市場に暗号資産のETFを立ち上げることや、パキスタン証券取引委員会(SECP)および中央銀行の規制当局と協力し暗号資産のルールを早く決めることが重要になるとしている。そして、現在放置されている暗号資産のオンライン取引の監視設備を整えることなど有益な提言を記した。

画像:Shutterstock