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暗号資産禁止の中国において新華社通信がNFTを発行

暗号資産(仮想通貨)の取引およびマイニングを全面的に禁止し、厳しく取り締まっている中国において、同国最大手通信社の国営・新華社通信がNFTを発行する予定であることが23日、わかった。同日、South China Moaning Postなどが報じた

今回新華社が発行するNFTは、2021年の厳選された報道ニュース写真から作成されたもの。NFT「デジタル・ニュース・コレクタブルズ」のパッケージは、報道された写真が1万枚ずつの11コレクションと、全ての写真が入っている特別版1部で構成される。12月24日の午後8時に新華社のモバイルアプリで公開、無料で配布されるという。

コレクションは「2021年の多くの貴重な歴史的瞬間を記録したもの。メタバースの世界に刻まれるデジタルメモリーでもある」と新華社は声明で述べている。

同コレクションには、7月に北京の天安門広場で行われた中国共産党の創立100周年記念式典のほか、27億回以上のコロナワクチンを投与した国のマイルストーンなどが含まれている。

これらのNFTは、記念品として保有することはもちろんだが、二次販売も可能となる。

新華社のNFTへの参入は、デジタルリソースの所有者と運営者を対象としたライセンス付与を含む暗号資産の規制フレームワーク構築が中国本土の50以上に及ぶ管轄区域において行われているなかで実施された。

中国政府はビットコインを始めとする暗号資産の取引やマイニングを厳しく取り締まっている。例えば、中国版Googleとして知られる検索エンジンのBaidu(百度)や中国版TwitterのWeiboでは、Binance(バイナンス)などのワードも表示されないよう規制処置を掛けているほどだ。その一方で、NFTやメタバースに関してはグレーゾーンとして現在は取り締まりをしていない。

しかし、12月初旬、中国の中央銀行幹部は、NFTとメタバースへの関心が急速に高まっていることに注意を喚起し「容易にマネーロンダリングの道具になる可能性がある」と警告していた。

そういった状況下で、新華社はNFTをデジタルコレクションとしてブランディングした。この動きに対し、中国政府がどのような対応をするのか。今回は中国のNFTに対する良い試金石になる可能性がある。

画像:Shutterstock