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米WisdomTree、現物ビットコインETFを再申請

21日、ニューヨークを拠点とする米資産運用会社大手のウィズダムツリー(WisdomTree)社が、現物ビットコインETFの申請を米SEC(米証券取引印会)に最提出したことがわかった。

今月1日、ウィズダムツリーは11月のバンテック(VantEck)社に続き、米SECに承認を却下された。非承認の理由として、SECは「相場操縦や詐欺行為を防ぎ、投資家の利益を守るための要件を満たしていない」と指摘していた。

ウィズダムツリーが申請の手続きを開始したのは3月のことだ。SECに対してビットコインETF「WISDOM TREE BITCOIN TRUST(BTCW)」の目論見書を提出していた。却下されたことで、現物ビットコインETFの実現に向けた道は険しいと思われ、ビットコインの市場価格が下落した一因となったとも言われている。

却下されたことを受け、ウィズダムツリーは即座に対応した。非承認から2週間でSECに提出した申請書の修正した。そのなかでウィズダムツリーはカストディアンにUSバンコープ(U.S.Bancorp)銀行子会社、USバンク・ナショナル・アソシエーション(U.S.Bank National Association)を指名している。また、ビットコインETFに関する情報開示と市場分析の内容を強化。今回もETFを上場予定のデリバティブ取引所CboeBZXとの共同申請となる。なお、審査期間の決定日は連邦官報に掲載される。

Cboeはビットコイン先物ETF上場を認める一方で、現物ビットコインETFを却下するのは矛盾していると主張している。現物型と先物型を比較した場合、ビットコインの市場価格への連動を目指す点は同じだからだ。

対してSECは、先物ETFが「1940年投資会社法」に基づいて構築されており、現物型とは異なると述べてこれを退けた。証券取引法への準拠を求められる現物型には、投資家保護の点で高いハードルが設定されているようだという。

また、イーサリアムETFについても5月に申請中であり、SECが審査を進めている。現在申請されている現物ビットコインETFの中で次に最終判断が予定されているのは、バルキリー(Valkyrie)社のETFで、2022年1月7日前後に結果が判明することになっている。

SECは現在、10件以上のビットコインETFを審査中だ。ビットコインETFは10月、プロシェアーズ(ProShares)社による先物型のものがニューヨーク証券所で取引開始後、10億ドル近くの取引高を記録。ビットコインの現物ETFの審査が通れば、市場に与えるインパクトは非常に大きいだろう。

画像:Shutterstock