月間暗号資産

  • HOME
  • NEWS
  • アルトコイン好調に推移 イーサリアムは過去最高値に迫る

アルトコイン好調に推移 イーサリアムは過去最高値に迫る

1日の暗号資産(仮想通貨)市場はアルトコインを中心に好調な推移をたどっている。

特にイーサリアムは順調に価格を戻し、記事執筆時点では4750ドル(約53万9,500円)で推移。先月記録した過去最高値が4860ドル(約55万1,000円)であるため、再び最高値の更新を射程圏内に捉えた格好だ。

イーサリアムは引き続きDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)での需要が高いことに加え、先月29日に米資産管理会社Kellyがイーサリアム先物ETFを申請するなど、好要因が散見される状況にある。

また30日には、ジャネット・イエレン米財務長官が暗号資産規制に関して言及し、カストディ業務を行なっていないブローカーに対して取引報告の義務を負わせない方針であることを明かした。

米国では先月15日、バイデン大統領が総額1兆2000億ドル(約140兆円)規模のインフラ投資法案に署名したことで、暗号資産ブローカーに対する取引の報告義務化が盛り込まれた。1万ドル(約114万円)以上のデジタル資産取引は、内国歳入庁(IRS)に報告することが義務付けられたが、このブローカーの定義が非常に曖昧であるため、暗号資産業界をはじめ多方面から法律の見直しを求める声が挙がっていた。

現在、修正法案が提出されている段階にあるが、イエレン財務長官から前向きな回答を得られたのは暗号資産市場にも好影響を与えたものと言える。

イーサリアムの他には、ソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)、ユニスワップ(UNI)やポリゴン(MATIC)などが大きく価格を上げている。

これらの共通点としては、その技術が実際に広く使われており、実需面での期待が高まっているという点が挙げられるだろう。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は同日、テーパリング(量的金融緩和の縮小)を加速させる意向を示した。

先月26日、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルス「オミクロン株」への懸念から世界全体で株安となる事態となったが、米国で進むインフレに対応すべく、金融の引き締めを急ぐ。オミクロン株の感染拡大によってテーパリングの動向は左右されることが予想される。

しばらく世界的にリスクオフの流れが強まることも囁かれているが、ゴールド(金)などと同様にリスクヘッジ手段として暗号資産に資金が流入する可能性も十分考えられる。

12月は暗号資産価格が乱高下する傾向も見られるため、世界経済の動向と併せて注視する必要があるだろう。

画像:Shutterstock