月間暗号資産

  • HOME
  • NEWS
  • 米フィデリティ、カナダ初の機関投資家向けビットコイン・カストディアンに認定

米フィデリティ、カナダ初の機関投資家向けビットコイン・カストディアンに認定

Fidelity Clearing Canada ULC(FCC)社が、カナダ規制当局から国内初となる機関投資家に向けたビットコイン取引とカストディについて承認された。今後は機関投資家向けのビットコイン取引およびカストディプラットフォームの形式でサービスをスタートする。

これで年金基金、ポートフォリオマネージャー、ミューチュアルファンド、ETF(上場投資信託)など、多くのカナダの機関投資家がビットコインに投資できるようになる。

Fidelity(フィデリティ)のCEOであるスコット・マッケンジー(Scott Mackenzie)氏は、水曜日に発表したコメントの中で、「デジタル資産への投資需要はかなり高まっており、機関投資家はこのアセットクラスにアクセスするための規制されたディーラー・プラットフォームを探していた」とコメントしている。

投資信託やETFなど、カナダの機関投資家は今まで、米国を拠点とするカストディアンを利用しなければならなかった。FCCがサービス提供することで、これらの機関投資家たちの多くがカナダ本土でビットコインに直接的に投資できるという可能性が広がった。顧客基盤の拡大が見込めることにつながりそうだ。

また、Fidelity Investments Canada ULCは、「Fidelity Advantage Bitcoin ETF」と「Fidelity Advantage Bitcoin ETF Fund」の目論見書を当局に提出した。同ETFはFCCのカストディ・サービスを利用するとしている。

Fidelity Investments Canada ULCは2090億カナダドル(約19兆円)以上の運用資産を保持している。

Fidelity社による米国初のビットコインファンドは、認定投資家のみを対象としており、今年5月の時点で富裕層の投資家から1億200万ドルを調達している。米国では暗号資産(仮想通貨)事業の子会社Fidelity Digital Assets(FDA)を通じ、機関投資家向けにビットコインのカストディ・サービスやOTC取引を提供している。

カナダではすでに複数の現物ビットコインETFやイーサリアムETFが取引されている。ドイツと並び、暗号資産においては世界でも戦陣を切っている状況だ。ビットコインETFで現在最も運用規模が大きいのはカナダのPurpose Investmentsで、約2万4344BTC(約1,662億円相当)を運用している。

画像:Shutterstock