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SEC、VanEckの現物ビットコインETFを却下 同社先物ETFは16日より取引開始

米証券取引委員会(SEC)は12日、VanEck社が申請した現物ビットコインETFを却下したことを発表した。

この申請は米大手先物取引所であるCboe BZX Exchange(Cboe)を通じて3月に行ったものだ。SECは発表で、「Cboeが投資家を保護するために不正取引を防止できることを証明するのに十分な成果がなかった」としている。

根拠としては、暗号資産(仮想通貨)ETFの提案をSECがこれまでに却下した流れに一貫するものだ。公表した資料では、「詐欺的で、市場操作的な行為および慣行を防ぎ」「投資家および公共の利益を保護する」という条件を満たしていないと結論付けている。

VanEck社やCboeはこれまで、米国でのビットコインETFのリリースを目指してきたが、SECは規制整備が進んでいないことやビットコイン市場での価格操作を含む不正の可能性を懸念し、ETFの採用を見送ってきた。

今回の非承認は、SECが初めて先物ベースのビットコインETFを承認してから数週間後のこととなる。

先物ベースのビットコインETFの申請が殺到したのは、8月に開催されたバーチャルフォーラムにおいて、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長が、「シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されているビットコイン先物契約に限定した『1940年投資会社法』に基づいて申請されたETFを支持する」と発言したことによる影響だ。

SECは現在10件以上の現物ビットコインETFを審査している。次に判断が出るのはWistomTreeのETFで、12月4日前後の予定だという。

一方で、VanEckのビットコイン先物ETFは、米時間16日よりローンチされる予定だ。10月下旬に承認を受け、取引開始が延期されていた。 

ゲンスラー委員長は、ビットコイン先物ETFが規制された取引所で取引されていることから、安心して利用できると発言している。

しかし、現物ビットコインETFは異なる。ビットコイン先物ETFは保管コストやロールオーバーの損益が発生するため、コストが高い。そのため、先物ETFよりも現物ETFの方が投資家にとってメリットが大きいと考えられている。

画像:Shutterstock