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Googleが米CMEグループに約1,130億円出資 10年間のパートナーシップ締結

米デリバティブ取引所のCME(シカゴマーカンタイル取引所)は4日、Googleのクラウド部門・Google Cloudと10年契約の戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。

今回のパートナーシップで、GoogleはCMEに10億ドル(約1,130億円)の出資を行う。Googleは議決権のない転換社債型優先株式を用いて投資を行った。

CMEの会長兼CEOのTerry Duffy(テリー・ダフィー)氏は、「Google Cloudとの長期的なパートナーシップを通じ、CMEはテクノロジーによってデリバティブ市場を変革する。全ての市場参加者のアクセスを拡大し、効率性を高めていく。このパートナーシップによりCMEグループは新しい商品やサービスをより早く市場に投入できるようになります」と述べた。

今後、2社は協力し、Googleのクラウド技術を活用、世界的にCMEのデリバティブ市場を変革する計画だ。市場の効率性を向上させることが可能なほか、リスク対策ツールなどの新しいプロジェクトを作ること、さらにアクセスを拡大し新規ユーザーを増やすことに注力していく。

またリアルタイムデータおよび分析機能を構築していく。Google Cloudのデータ分析、学習機能技術により、アルゴリズムおよびリアルタイムのリスク管理を開発するためのオンデマンドの情報やツールキットを顧客に提供していく。

CMEは2022年に市場データ、取引決済に絡む清算業務をGoogle Cloudへと以降する作業を開始する。最終的に全ての市場をクラウドへと移す。

CMEは、Dow Jones30やCME日経225先物などの株価指数から金利、農産物や金属にいたるまで幅広い金融商品の取引を提供する世界最大のデリバティブ取引所だ。暗号資産(仮想通貨)関連のデリバティブ商品も取り扱っている。

2017年12月に初めてビットコイン(BTC)先物取引を始めた。以来、マイクロビットコイン先物(取引単位はBTCの10の1)、ビットコインオプション、マイクロイーサ(ETH)先物を含む、暗号資産のデリバティブ商品を提供している。

今後、CMEは暗号資産関連の商品に力を注いでいく方針を出している。急速に拡大、膨張していく暗号資産業界のデリバティブに対応するには迅速かつ斬新なIT技術が欠かせない。今回の全クラウド化はCMEにとっては長い歴史の中でも最大の部類に入るイノベーションとなる。

画像:Shutterstock