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イーサリアム2.0、初の大型アップグレード「Altair」実装

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の次世代ブロックチェーンである「イーサリアム2.0」への移行に向けた、大型アップグレード「Altair(アルタイル)」が27日深夜、実施・成功した。コンセンサスアルゴリズムのプルーフオブステーク(PoS)への移行に向け、一段階進化した形だ。

今回のアップグレードではクライアント開発チームやビーコンチェーン開発チームにとって、イーサリアム1.0から2.0へ完全移行する前の低リスクなウォームアップという位置づけであるとイーサリアム財団のブログで発表されていた。

アップグレードはイーサリアム2.0のフェーズ0段階にあたる「ビーコンチェーン」上で行われた。イーサリアムのメインチェーンとドッキングし、イーサリアム2.0へと移行するアップグレード「The Merge」に向けたものとなった。

今回のアルタイルの実装では、「ライトクライアントをサポートするためのSync committeeの設置」と「(無可動のバリデータへのペナルティ強化、バリデータ報酬がより公平にいきわたるようにするため)バリデータのインセンティブに関する問題の修正」が行われ、EIP-2982(改善案)による懲罰的パラメータの導入が行われた。この提案はイーサリアム創設者のVitalik氏が提案していた。

また、「ETH2.0でのハードフォークのテスト」という意味合いもあったと言える。

イーサリアムはこれまで多くの大型アップデートを行ってきた。新規チェーンに移行するため、今後より大きなアップデートを行う前準備の段階に入った。

現時点では正常に稼働している。アルタイルの実装は成功したと言っていいだろう。

28日時点では、イーサリアム2.0のステーキング総額は802万ETHとなっている。25万を超えるバリデータノードが参加し、ネットワークをセキュアに保っている。ステーキングとは、一定量の暗号資産をネットワークに預け入れることで報酬を得ることができる仕組みで、ビットコインのマイニングにあたる。

ステーキングサービスやKraken(クラーケン)、Binance(バイナンス)などのステーキング仲介を利用する場合、運用はサービス提供側に依存するため特に対応をする必要はない。もし自身でノードを立ててステーキングしている場合、クライアントを再起動するなどしてクライアントをv2.0.0以上にアップデートする必要がある。

また、一般のイーサリアム保有者やdAppsのユーザーは特に何もする必要はない。今回は純粋にビーコンチェーンの機能アップグレードなので、ユーザーの保有資産やコントラクトには影響しない。

画像:Shutterstock