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暗号資産で14億円申告漏れ 国税局の一斉税務調査で発覚

暗号資産(仮想通貨)を巡る利益に国税局が監視を強化している。関東地方に在住する個人に大規模な税務調査が入り、数十人が計約14億円の申告漏れを指摘されていたことが判明した。3日、日本経済新聞が報じた

個人の暗号資産への投資や投機が盛んになっており、国税局は今後も重点的に調査を行い、適切な税務処理の情報発言に力を入れるという。

一斉調査は2020年~2021年頃に、関東信越国税局が実施した。埼玉県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県などに住み、主に暗号資産エイダ(ADA)の売買で利益を得た個人が対象になった。数十人で申告漏れが発覚し、過小申告加算税などを含めた追徴税額は合計約6億7,000万円だった。

エイダをビットコインなど別の暗号資産に換えて利益を得たのにもかかわらず申告をしていなかった例が多かった。申告漏れが数千万円にも及ぶ例や、隠蔽行為があったとして重加算税が課せられた例もあったという。

エイダとは2017年に登場した暗号資産で、元イーサリアムの開発者であるチャールズ・ホスキンソン氏が発案した。記事執筆時点での価格は約245円で推移しており、昨年同期比で約25倍価格を上げた。今年8月からは国内暗号資産取引所ビットポイントにおいて、国内で初めて取扱いが開始された。税務局関係者の話では多くの購入者が利益を得ていたという。

国税局は2018年頃から暗号資産関連の税務調査を重点施策と位置付けている。今までも東京国税局などが大規模な税務調査を手掛けてきた。知名度の高いビットコインなどの他にも、エイダのような暗号資産も調査対象としていることから本腰を入れていることがうかがえる。数年前からエイダの取引に注目し、取引内容を把握するための調査ノウハウを蓄積してきたという。

暗号資産の取引は急増している。日本暗号資産取引業協会(JVCEA)によれば、2018年度は8,000億円強だった取引額が2021年には5兆円を超えたという。個人が資産形成の手段とするだけではなく企業が投資活動として保有することも増加している。国税局のホームぺージなどで情報を得てきちんとした申告が必要だ。

画像:Shutterstock