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エルサルバドル大統領、火山熱でビットコインのマイニングについて言及

エルサルバドルのBukele(ブケレ)大統領は29日、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのマイニング(採掘)について、地熱エネルギーを利用したプラントの進捗状況を示す動画を公開した。動画では、火山熱を利用した大規模なマイニング施設の概要、多くの稼働しているサーバ、そこで働く技術者などが映し出されている。

ブケレ大統領は詳細を明らかにしていないが、火山とエルサルバドルの国旗を描いた絵文字と共にビットコインのタグをつけ、「最初の一歩だ(First steps…)」とツイートした。

今年6月に大統領は地熱を利用したマイニング施設の建設計画を発表した。

その際、「非常に安価で、100%クリーンで、100%再生可能な二酸化炭素排出量ゼロのエネルギー」による電力を動力とするマイニング施設を管理するよう、国有電力会社LaGeo社に指示すると述べていた。

エルサルバドル政府による今回の発信は、ビットコイン推進派にとっても大きい。水力発電や太陽光発電、風力発電などのクリーンエネルギーを利用して、ビットコインのマイニングによる二酸化炭素排出量を削減できることへつながるからだ。

米銀行・Bank of America(バンク・オブ・アメリカ:BofA)のリポートによれば、ビットコインのマイニングに伴うコンピューターのエネルギー使用量は多くの先進国に匹敵する。二酸化炭素(CO2)排出量はAmerican Airlines(アメリカン航空)や石油会社ConocoPhillips(コノコフィリップス)など化石燃料を使用、生産する企業と同レベルであり、世界のエネルギー使用量の約0.4%をも占める、と記し、「これほど変化のスピードが速い、ペースが伸びている分野はない」と警鐘を鳴らしていた。

そのようななか、エルサルバドルはビットコインのマイニングが二酸化炭素を出さずともでき、環境破壊には繋がらないということを実証して見せた形である。

米電気自動車テスラのElon Musk(イーロン・マスク)氏も7月にビットコインは再生可能エネルギーに関するベンチマークを達成しており、再生可能エネルギーの使用割合は50%以上である可能性が高いと示唆していた。

今後も再生可能エネルギーを利用したマイニング施設は増えるだろう。そうなれば、エネルギー使用の点で悪評を受ける暗号資産のイメージも着実に変化していく。

画像:Shutterstock