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エルサルバドル、ビットコイン法施行 歴史的な日は波乱含みの展開に

中米エルサルバドルでビットコインを法定通貨として認める「ビットコイン法」が、9月7日に施行された。これにより、エルサルバドルは、ビットコインを法定通貨として認める世界で初めての国家となった。

一方で、ビットコイン法定通貨化の幕開けは波乱に満ちていた。

7日、ビットコインがエルサルバドルで法定通貨となったと各国の報道機関が報じた最中、ビットコイン価格は一時10%以上ほど下落した。

Bukele大統領のTwitterでの投稿によると、同国は400BTCを準備金として購入しているため、この発表を行なった際の価格を元に推測すると、ビットコイン法の施行から間も無くして約200万ドル(約2億2,000万円)に当たる評価損が発生したことになる。

しかしBukele大統領は強気の姿勢を崩さず、「さらに150BTCを購入した」と、押し目買いを行い価格下落に対応したと自身のTwitterで伝えた。

「ビットコイン法」では、ビットコインの法定通貨化とともに店舗決済への受け入れが義務化されている。同法の施行を受け、大手飲食チェーンのスターバックスやマクドナルドなどにおいてもビットコイン決済の受け入れが始まった。

エルサルバドル政府はビットコイン法施行に伴い、ビットコインウォレットアプリ「Chivo」をダウンロードした国民に30ドル相当のビットコインを付与するキャンペーンを行っている。事前アナウンスがあったことも影響し、ビットコイン法が施行した7日、各端末対応のChivoがアクセス集中によりダウンロードできないという問題が生じた。その後、アクセス集中が緩和されるとともにアプリは提供され始め、市中においてChivoを利用したビットコイン決済が利用されるようになった。

この決済の様子をおさめた動画がSNS等に複数アップロードされていることが確認されている。

https://twitter.com/DocumentingBTC/status/1435326975120482306

エルサルバドルのBukele大統領が提出した「ビットコイン法」の法案が可決された6月から、世界初となるビットコインの法定通貨化には世界中から大きな注目が寄せられている。

波乱含みで始まったビットコインの法定通貨化であるが、海外からの送金手数料の削減や、銀行口座を持たない国民への金融サービスの提供、現金を目的とした強盗などの犯罪抑止などの効果が見込まれている。

画像:Shutterstock