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チェーンリンク、Google Cloudの気象データを統合

分散型オラクルのプロジェクトを展開中のChainlink(チェーンリンク)は6日、Google Cloudからの気象データを追加した。Google Cloudの気象データ機能を組み合わせることで、経済効率を高め、持続可能な農業を行うサポートをする。

チェーンリンクは米国のスマートコントラクト社が開発したミドルウェアだ。ミドルウェアとは、複数のシステムを接続させた際に中間処理をして機能させる仕組みだ。

チェーンリンクは、ブロックチェーン上に作られるスマートコントラクトと、オフチェーン(ブロックチェーンの外部)の情報を繋ぐためのミドルウェアとして開発された。またオフチェーンだけでなく、異なるブロックチェーンやdAppの中間処理役としても機能する。

チェーンリンクは気象データ、金融、送金、決済、保険、企業データベースにおいてミドルウェアとしての役割を期待されている。

両社の協力体制でGoogle Cloudが収集している世界約9,000ヶ所の天気観測所のデータを、チェーンリンクを介してイーサリアムネットワークで利用できるようになる見込みだ。

チェーンリンクの共同設立者であるSergey Nazarov氏は米CoinDeskの取材に対して、チェーンリンクへGoogle Cloudの気象データを組み込んだことに際し、気象データの重要性を挙げ「気象を中心とした分散型保険を強化するためにGoogle Cloudと提携した」と語った。

予期せぬ悪天候は、様々な業界で経済的損失をもたらす。干ばつによる農作物の収穫量の減少、吹雪による旅行日程の乱れ、過度の降雨によるスポーツイベントの中止やインフラの故障など、経済に与える影響は大きい。今回の取り組みは、これらの経済的損失に対して、分散型金融(DeFi)の仕組みを利用した保険等のソリューションを開発できるようにすることを目的としているようだ。

この協力体制のもと、スマートコントラクトの開発者は、高品質な実世界の気象データに基づいてプログラムされた作物保険契約を作成できるようになる。

このような契約の市場が出現すると、悪天候のイベントから完全に守られている想定で事業を計画し、安全に拡大することができるため、持続可能な農業を促進し、土地利用を安定させる効果があると言われている。

画像:Shutterstock