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ナイジェリア、10月からCBDCの試験運用を開始へ

ナイジェリア中央銀行(CBN)は22日、今年10月1日からブロックチェーンを活用した中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の試験運用を開始することを発表した。23日、Peoples Gazetteなど複数の現地メディアが報じた

報道によると、これはCBNの情報技術ディレクターであるRakiya Mohammed氏が関係者を対象としたウェビナーで語った内容だという。

Mohammed氏はウェビナー内で、CBNが2017年からCBDCを含むデジタル通貨の開発と導入に向けた研究を進めてきたと説明。このプロジェクトは「GIANT」と呼ばれ、オープンソースブロックチェーンである「Hyperledger Fabric」上で実行されるという。Mohammed氏によると、同行は2021年末まで概念実証を行う可能性があるという。

CBNが試験運用を開始することについて、同氏は世界の約80%の中央銀行が現在CBDCの発行について検討を進めていることを挙げた。その上で、ナイジェリアもこうした流れに遅れることはあってはならないと強調した。

また、CBDCを発行することによってマクロ経済管理や成長管理、国際貿易の円滑化などが可能になると主張。さらに、金融包摂、金融政策の有効性、決済効率の向上など様々な面で効果が見られると期待を口にした。

ナイジェリアはアフリカ大陸屈指の経済大国でありながら、暗号資産(仮想通貨)取引が活発な国でもある。統計プラットフォームStatistaが今年2月に発表した調査では、国民の3人に1人が暗号資産を利用しているとの結果が明らかになっている。

その一方で、同じく今年2月にはCBNが国内全ての銀行に対し、暗号資産の購入・売却・交換サービスを中止するように文書を通達した。

この動きは同国の上院議員などから反発を招き、翌3月に同行のGodwin Emefiele総裁が、「個人の暗号資産取引は禁止していない」と弁明する事態となっている。

暗号資産に対する方向性は定まっていないものの、ブロックチェーンに対しては積極的に取り入れる姿勢を見せている。昨年10月には、ナイジェリア政府がデジタル経済への移行などを目的として、ブロックチェーンを国家戦略として取り入れる計画を進めていることが明らかになっている。

画像:Shutterstock